フォルクスワーゲン・ゴルフ(最終回) 長期テスト 万能選手の高いハードル

公開 : 2022.02.05 09:45

eTSIのゴルフを評価してきましたが、最新のGTIへスイッチ。オールラウンダー・ホットハッチとしての実力を検証します。

積算1万414km 暮らしに馴染む万能選手

AUTOCARの長期テストへ、数年前にもフォルクスワーゲン・ゴルフGTIが加わっていた。後期型の7.5代目といえるクルマで、ほぼマイナスポイントはなかったようだ。改善を求めた部分は、ステレオのボリュームノブくらい。

フォルクスワーゲンが長年開発を重ねてきた、ゴルフGTIの高い完成度を示すものだった。自ずと、8代目ゴルフGTIへのハードルも高いものになっていた。果たして、改善を希望する部分は、ボリューム以外に存在した。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)

といっても、マイナスばかりに注目しないで欲しい。プラスの方が遥かに多い。

8代目ゴルフの長期テスト車として初めに英国編集部へやって来たのは、英国のエントリーグレードに当たるライフのマイルドハイブリッド、1.5 eTSIだった。途中で、その対極といえるGTIに変更している。

そのどちらもが、毎日の暮らしに馴染む、極めて優れたオールラウンダーだということを確認できたと思う。リラックスして運転でき、広々とした車内は快適だ。

GTIにはスポーツシートとヒーター内臓のステアリングホイール、スマートフォンのワイヤレス充電機能などが備わり、より快適に仕上がっていた。それでも、ベーシックなライフ・グレードでもまったく不足は感じなかった。

GTIのレシピのカナメといえるバランス

8代目の登場時は乗り心地に疑問が挙がっていたものの、1.5 eTSIはそう感じさせなかった。GTIのハードな乗り心地も試乗レポートで知っていたから、多少の心構えはしていたが、実際は想像したほどでもなかった。

確かに1.5 eTSIよりは硬い。しかし一度ドライブモードの調整を済ませれば、充分にマイルドにできる。モード調整のメニューから、サスペンションをソフト側に振る作業が、少し手間ではあるけれど。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ GTI(英国仕様)

スポーツ・モードは特別な走りに備えて、バランス良く調整されている。しかも、ライバルのホットハッチと比べて硬すぎるというわけでもない。

ゴルフGTIは、ワインディングで最高に楽しませてくれる。さらに、日常のあらゆるシーンにも見事にマッチしてくれる。買い物にも、通勤にも、高速道路での長距離移動でも。

そのバランスが、GTIのレシピのカナメ。8代目ではハード寄りに傾いてはいるが、それでも称賛したいほどに優れている。

ハードへ傾いた理由は、よりGTIを強くアピールしたいという、フォルクスワーゲンの狙いだったのではないだろうか。電動化が進むなかで、2.0L 4気筒ターボエンジンには、マイルドなハイブリッドも備わらない潔さだ。

スパイスの効いたホットハッチを望むコアなファンに向けて、性格付けが与えられているように思える。筆者の推測だが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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