テスラ米中で躍進のワケ 「ブランド価値」確立にスバルとの共通点 テスラ現象、日本へ?
公開 : 2022.01.31 05:45 更新 : 2022.01.31 08:03
米中で躍進するテスラ。EVのみのメーカーがグローバルブランドとしての価値を確立できたワケを解説します。
テスラはもはやニッチではない
テスラの販売がグローバルで絶好調だ。2021年の生産台数は93万台を超えた。
この数字が大きいのか、それとも「ほどほど」なのか?
自動車メーカー各社の販売台数を見てみると、トヨタがグループ傘下のダイハツと日野を加えて1050万台でトップ。次いで、ドイツのフォルクスワーゲングループが888万台となっている。
こうした世界ツートップと比べると、テスラは10分の1といったところなので、中堅どころのメーカーというイメージを持つかもしれない。
ところが、売上高では6兆円を超えている。
これは、日系メーカーでいえば、マツダとスバルを足したほどのレベルに達しており、さらに最近の急激な販売増を考えると、近い将来には日産やホンダにも手が届くのも現実的な話に思えてきた。
テスラがこれほどまでに売れているというイメージを、実感する人は日本ではまだ多くないのではないだろうか。
都心では2010年代後半になってから「モデルS」や「モデルX」の姿を見かける機会が増えてきて、2020年代に入ってからは「モデル3」が増えているように思える。
そうした状況が地方部まで広がっているという感じはなく、地方部でテスラを見かけると、まだめずらしいという感じを抱く……。
米中では当たり前のクルマに
では、実際に日本でテスラはどの程度売れているのか?
近年の販売台数の伸びは、アメリカや中国と比べてどうなのか?
そうしたことを知りたいところだが、それは難しい。
なぜならば、テスラ本社は国別や地域別での販売台数を公表していないため、日本での正確な販売台数は不明だからだ。
肌感覚でいえば、都心でテスラを見かける頻度はメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなど主要なドイツ輸入車ほど多くはないが、ルノー、プジョーなどのフランス車や、アメ車と比べると確実のその数は多いというイメージだろう。
一方で、アメリカでは、ロサンゼルスやサンフランシスコなどのカリフォルニア州各地、ニューヨークのマンハッタン、そしてシカゴ、ダラス、マイアミなどの住宅地などで、ごく普通のクルマという感覚でテスラ各モデルに出会う。
中国でも、北京、上海といった大都市圏で、テスラの数が一気に増えたことがしっかり分かる。
なぜ、テスラはアメリカや中国での売上が大きく、日本は「まだまだこれから」という印象を持つのだろうか?
こうした海外と日本との差を感じるのは、テスラのみならず、EV(電気自動車)に対して、海外と日本でなにがどう違うのだろうか?