次期レンジローバー・スポーツ SVRは最高出力625psのBMW V8搭載か 完全電動モデルも導入
公開 : 2022.02.01 18:05
次期レンジローバー・スポーツはBMW製エンジンを搭載し、電動化により性能向上と環境負荷の低減を図ります。
レンジローバーの人気モデル
新型レンジローバーの発表を終えたランドローバーは、3代目となる次期レンジローバー・スポーツの開発に焦点を移している。
次期レンジローバー・スポーツは同社のベストセラー車の1つであり、電動化戦略においても重要な役割を果たすことになる。過去5年間で見ると、その販売台数は標準のレンジローバーを40%以上上回り、小型のイヴォークやディスカバリー・スポーツとトップの座を競い合っている。
新しいMLAフレックス・プラットフォームが新型レンジローバーに採用されたことで、次期レンジローバー・スポーツも根本的に構造を変えて登場してくるだろう。
レンジローバーでは、ねじれ剛性の50%向上、構造に起因する騒音の24%低減など、走りの洗練性を大いに高めると期待されている。特にスポーツは、ポルシェ・カイエンのライバルとして、ダイナミック性能に焦点が当てられると思われる。
これは、ジャガー・ランドローバー(JLR)とBMWのパワートレイン共有の観点からも、特に注目すべきことだ。この提携により、高性能モデルのレンジローバー・スポーツSVRでは、スーパーチャージャー付きV8エンジンからBMWが開発した4.4L V8ツインターボに変更し、大幅な出力向上と、プラグイン・ハイブリッド・システムの搭載を可能にする。
高性能モデル「SVR」は4.4L V8搭載か
現行のレンジローバー・スポーツSVRは、最高出力584psの5.0L V8を搭載している。歴史的にフォードが英国で生産してきたユニットだが、2019年に生産施設が閉鎖された際に内製化された。より厳しいユーロ7の排ガス規制の実施が迫る中、生産は徐々に縮小され、BMW製に切り替わることになった。
この4.4L V8は「S63」と呼ばれ、現在BMWで最もハードコアなモデルであるM5 CSでは最高出力635ps、最大トルク73kg-mを発揮している。ランドローバーは、このエンジンの独自仕様を最高級SUVに搭載し、その特性に合わせてエンジニアが専用チューニングを施す。
レンジローバーでは、最高出力530ps、0-100km/h加速4.6秒と、従来のV8より若干パワーは落ちるものの、余裕のパフォーマンスアップを実現している。走りにフォーカスしたスポーツでも出力がアップすると予想される。
SVRは、BMW X6 Mコンペティションの625psと同等のチューニングが施される可能性が最も高いと思われる。その結果、0-100km/h加速のタイムは4.0秒に近づき、最高速度は約290km/hに達するだろう。
このようなパワーアップにより、2013年の現行モデル発表時より大きく拡大したスーパーSUV市場で存在感を発揮するはずだ。現行モデルのデビュー以降、新たに登場したライバルはアストン マーティン DBX、ポルシェ・カイエン・クーペ、ランボルギーニ・ウルス、マセラティ・レヴァンテ・トロフェオなど数多い。