ポールスター2 極寒冷地仕様のワンオフ車公開 氷上でしか味わえないダイナミクス
公開 : 2022.02.03 06:05
ポールスター2をベースとした特別車アークティック・サークルが公開。北極圏でのEV性能試験に使用されます。
ラリー風カスタムのワンオフモデル
EVメーカーのポールスターは、冬の過酷な環境に対応するのワンオフ特別仕様車「アークティック・サークル」を公開した。
アークティック・サークルは、ポールスター2のデュアルモーター車をベースに、冬のラリーからインスピレーションを得て製作された。出力は標準モデルの397psから476psに、トルクは69kg-mに増強されている。
その他、スプリングを30%柔らかくし、オーリンズ社製の3ウェイ・パフォーマンス・ダンパーを採用。フロントとリアのストラットブレースで剛性とステアリング応答性を向上させた。ステアリングホイールのパネルから操作できる、新しいローンチコントロール・システムが搭載されている点も特徴だ。
極端な天候下に適応するため、4mmの金属スタッドを備えた特注の19インチ冬用タイヤを装着しており、ポールスターは「雪氷の上で迅速かつ俊敏であるための機械的資格」を与えたと語っている。
この他にも、19インチのレーシングラリーホイール、4つのLEDフロントライト、レカロ・バケットシート、カーボンファイバー製スキッドプレートなど、ラリーにインスパイアされた改造が施されている。ボディはマットグレーとホワイトのカラーリングで仕上げられた。
寒冷地でのダイナミクス性能テスト
ポールスターのチーフ・シャシー・エンジニアであるヨアキム・ライドホルムは、「車高を上げ、専用タイヤを装着することで実現したバランスと予測可能性は、特にカーブで顕著です。普段よりも大きな笑顔で、完全にコントロールすることができます」と語っている。
ポールスターによると、ダイナミクスに重点を置いており、寒冷地や凍結した環境下でも徹底的かつ正確にクルマをテストすることができるという。ライドホルムは次のように述べている。
「凍った湖のような冬の環境で、性能とハンドリングを徹底的に追求できるこのクルマを楽しみたかったんです。雪氷の上でシャシーをチューニングすると、スローモーションのような感覚で、より正確にクルマを開発することができるのです」
「グリップが弱いので、ターマックよりもはるかにゆっくりとしたペースでダイナミクスを感じ、分析することができます。ここは、わたしがクルマを開発する上で非常に好きな場所なんです」
アークティック・サークルは、ポールスターが毎年12月から3月まで16週間にわたって実施する冬季テストプログラムの一環として、北極圏でマイナス30℃という極寒の中でテストされた。
ポールスターは、このモデルが量産されることはないとしている。