トヨタとしても初の量産純EV レクサスUX 300e(1) 長期テスト 航続315km
公開 : 2022.02.20 09:45
レクサス初の純EV、UX 300e。プレミアム・ブランド初となる電動モデルの実力を、数か月かけて検証します。
初回 トヨタとしても初の量産純EV
ここ1・2年の間に、純EVの選択肢は一気に増えた。小型・中型のクロスオーバーだけを見ても、プジョーe-2008にフォルクスワーゲンID.4、ジャガーIペイスなどが英国では売られている。そこへ、レクサス初となるUX 300eが加わった。
UX 300eは興味深いモデルだ。基礎骨格は、トヨタのGA-Cと呼ばれるプラットフォーム。UXはハイブリッドも選べるが、量産の純EVとしては親会社のトヨタも含めて、初めてとなる。日本では、マイクロカーのコムスやシーポッドが売られているが。
スタイリングはレクサスらしく、小さなサイズ以上に受ける印象は強い。プロポーションは低く、引き締まって見える。
駆動用モーターは1基で、最高出力203psと最大トルク30.4kg-mを発揮する。前輪駆動のみとなり、0-100km/h加速は7.5秒がうたわれる。回生ブレーキの強弱は4段階から選べるものの、1ペダルドライブはできない。
そんなUX 300eを運転した第一印象は、とてもパワフル。即座に大きな力が立ち上がり、勢いよくボディが引っ張られる。静止状態でアクセルペダルを踏みすぎると、フロントタイヤが空転してしまう。
走りは静かで洗練されているが、郊外のカーブが続く道との相性を確かめるのはこれから。乗り心地や外界との隔離性は優れているが、フロントタイヤの状態が掴みにくい。路面状況を把握することは難しい。
欧州では珍しいチャデモ・コネクター
UX 300eの車重は1840kgと重め。駆動用バッテリーの容量は54.4kWhあり、航続距離は315kmが主張される。
レクサスによれば、6.6kWのウォールボックスと呼ばれる家庭用充電器なら、約8時間で充電が可能だという。50kWの急速充電器を用いれば、10%から80%まで、約50分で済むそうだ。
欧州でネックとなるのが、充電ポート。CCS(コンバインド充電システム)ではなく、日本で普及するチャデモと呼ばれるコネクターが付いている。英国の場合、この仕様の純EVはUX 300eのほかに、現状では日産リーフのみだ。
UX 300eの英国価格は4万1745ポンド(約647万円)から。17インチのアルミホイールにエアコン、バックカメラ、前後のパーキングセンサー、LEDヘッドライトとパワーシートなどが標準装備される。
長期テストにやって来たのは、トリムグレードとしては中間。プレミアム・プラスと呼ばれる仕様にオプション塗装が施され、価格は4万5815ポンド(約710万円)に上昇していた。
追加される機能としては、ワイヤレスのスマートフォン充電機能にキーレスエントリー、シートヒーター、プライバシーガラスなどだ。基本的な装備は充実している。