イタリアン・スーパーカーに後塵を 日産GT-R(R35型) 英国版中古車ガイド 

公開 : 2022.02.24 08:25

スーパーカーを脅かすゴジラ、GT-R。次期型が噂されますが、R35型の中古車も魅力的だと英国編集部は評します。

想像を超える能力を備えたゴジラ

クルマ界のゴジラ、GT-R。1969年に登場した初代PGC10型スカイラインから、0-100km/h加速3.0秒を切る570psの四輪駆動マシンまで、50年以上の月日をかけて日産が育ててきた、高性能モデルだ。

その現行型R35 GT-Rが発売されたのは2007年。ハイパフォーマンス・カテゴリーに、巨大な荒波を巻き起こした。スカイラインの強化版ではなく、独立したモデルとして大きな野望をもとに開発され、想像を超える能力を備えていた。

日産GT-R(2007年〜/英国仕様)
日産GT-R(2007年〜/英国仕様)

当初の英国価格は、あえて手頃な約7万ポンド。同時期に15万ポンド以上したイタリア製スーパーカーでも、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでは後塵を拝することになった。

フェラーリ458のベストラップは、7分32秒。四輪駆動の日産GT-Rは、7分27秒で同じコースを周回してみせた。

3.8L V型6気筒ツインターボエンジンの大パワーを活かし切る、驚くほどのトラクションとグリップ力。極めて鋭い変速を実現した6速デュアルクラッチATと相まって、458より300kg以上も重いという現実へ打ち勝った。

最高出力は、発売当初は480psがうたわれていたが、2011年のマイナーチェンジで530psへ向上。さらに2017年の大改良を経て、570psへ引き上げられている。

また同じ年には、スタイリングの小変更やインテリアのアップデートなども施された。サスペンションも改良を受け、乗り心地も良くなっている。

コーナーでは強烈な横Gを体験できる

日産GT-Rには標準モデルの他に、よりサーキットへ焦点を絞ったニスモ(NISMO)仕様も存在する。発売は2013年で、最新型では同じV6ツインターボから600psを発揮している。

パワーアップだけでなく、ダイエット目的のカーボンファイバー製ボディパネルに、よりグリップ力の高いタイヤ、日本車としては最大のディスクブレーキなどを搭載。ニュルブルクリンクを、7分8秒で周回する能力を備えている。

日産GT-R(2007年〜/英国仕様)
日産GT-R(2007年〜/英国仕様)

パワーステアリングは、オールドスクールな油圧式。自信をもって操れる重み付けと、充分なフィーリングを併せ持っている点がうれしい。

四輪駆動システムはリアタイヤ主導に設定され、かさむ車重と大きなボディにも関わらず、驚くほど回頭性も鋭い。ストーレートでの加速Gだけでなく、コーナーでも強烈な横Gを体験させてくれる。

さらにR35 GT-Rの長所は、ドイツの難関コースを速く走れるだけではない。スリリングさだけが魅力ではないことを、性能を考えれば驚くほど大きな荷室とリアシートが表している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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