30台限定、フェラーリ250GT SWB レストモッドで復活 現代風アレンジで「快適」に

公開 : 2022.02.22 06:25  更新 : 2022.04.14 16:58

伝説的なクーペのレストモッド車両が公開。自然吸気5.5L V12を搭載した現代的なグランドツアラーに。

テスト前のプリプロダクションモデル公開

英国を拠点とするRMLは、フェラーリ250GT SWBを現代的にアレンジしたプリプロダクションモデルを公開した。これから生産に向けテストプログラムを実施する予定だ。

このモデルは、最高出力492ps、最大トルク58kg-mを発生する5.5L自然吸気V12エンジンを搭載し、0-100km/h加速約4.0秒、最高速度約290km/hを実現する。

RMLショート・ホイールベース
RMLショート・ホイールベース    RML

RMLによると、このモデルはグランドツーリングに特化して設計されており、しなやかな乗り心地、専用ダンパー、高剛性のカーボンファイバー製ボディが採用されているという。

RMLのマイケル・マロックCEOは、「当社はエモーショナルな製品と、シンプルで美しいデザイン、そして純粋で有機的な運転体験を称えるものを作りたかったのです」と述べている。

直線加速ではなく、グランドツーリングや長距離走行に向いているとのことだ。「重要な点は、実際に使えるもの、つまりここからル・マンまで運転し、帰ってこられるようなものを作ることでした」とマロックCEO。

今回公開されたプリプロダクションモデルは「カー・ゼロ」と呼ばれ、「特殊なカーボンプライマー、通常のプライマー、シルバーのベースコートを重ねた」多層のブルー塗装が特徴で、「ポップ」な仕上がりになっているそうだ。

V12のエンジン音も忠実に再現

用意されているパーソナライゼーション・オプションも豊富だ。デザイン責任者のジョナソン・ボーエンは次のように述べている。

「ほぼ無限のカラーパレットに加え、さまざまなエクステリアトリムから選択することができます。また、ドアのラウンドやパラレルストライプなど、時代を反映したグラフィックも開発中で、このクルマのデザインと趣旨にぴったりです」

RMLショート・ホイールベース
RMLショート・ホイールベース    RML

RMLは、さまざまなレースシリーズで12回のコンストラクターズ・チャンピオンを獲得しており、モータースポーツ活動で得た知識を活かして、250GT SWBを現代風にアップデートしている。

カーボンファイバー製ボディによる軽量化、上下2段構成のテールライト、突き出たフューエルフィラーキャップ、「チップカッター」と呼ばれるフロントグリル、各車輪の後ろに設けられたエアベントなど、特徴的なデザイン要素を取り入れている。

足回りにはオーリンズ社製の特注ダンパーを装備。また、V12とオープンゲートの6速MTを採用し、後輪を駆動する。そのサウンドは、可能な限りオリジナルのサウンドを再現するために特別に設計されたという。

パワートレインの設計エンジニアであるアドナム・ラーマン氏は、「クラシックなV12ロードレーサーのエグゾーストノートを再現することが目標でした」と語る。

「まず、ドナーカーのフェラーリV12を、アイドリングからフルスロットル加速まで、さまざまな速度や負荷で車内外から録音しました。このテストデータは、新しい騒音規制に適合させることができるコンピューター・シミュレーションモデルに組み込まれています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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