ジープ・コンパス 詳細データテスト 意外にいいボディコントロール 広い室内 ニーズに合えば魅力的
公開 : 2022.02.26 20:25
ジープ・コンパスにマイナーチェンジで加わったPHEVをテスト。同じパワートレインを積むレネゲードでも気になった、トランスミッションの制御は改善の余地あり。乗り手を選びますが、ジープならではの走行性能は魅力です。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ー内装 ★★★★★★☆☆☆☆
ー走り ★★★★★★★☆☆☆
ー使い勝手 ★★★★★★★★★☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
ー購入と維持 ★★★★★☆☆☆☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★☆☆☆☆
はじめに
今回はアルファ・ロメオ、と共通性のあるモデルをテストする。
ジュリアやステルヴィオはエンスージアストの御眼鏡にも適うクルマだが、この2車種に用いられるジョルジオプラットフォームはあまりにも専門化していて、量販モデルへ応用するには高コストすぎる。それは、文字通りの量販が見込めるモデルとして高級コンパクトクロスオーバーを、喉から手が出るほど欲しているアルファ・ロメオとしては、ちょっとばかり都合が悪い。
もっとも、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)的にはそんなこと、グループPSAと合併してステランティスが誕生した昨年1月よりも前から、百も承知だった。そのクロスオーバーはトナーレとして、つい最近になって日の目を見たわけだが、ベースに選ばれたのはジープなどが用いるスモールワイド4×4アーキテクチャーだった。つまり、今回のコンパスとは、兄弟分ということになる。
トナーレは、適正サイズで、価格も手頃な高級コンパクトクロスオーバーを目指した。そして、きわめて重要なプラグインハイブリッド・パワートレインが、そこに積まれるべく開発されたのである。
しかしながら、アルファ・ロメオの新CEOであるジャン=フィリップ・アンパラトがトナーレに試乗するも、その出来栄えに満足せず、アルファの名にふさわしいクルマとするために発売を遅らせた。2018年にテストしたジープ・コンパスは10点満点中6点にとどまったので、彼らの判断にはうなずける。
そうしてアルファが新型車の手直しをしている間に、コンパスのPHEVが英国へ上陸した。マイナーチェンジのタイミングで追加されたわけだが、外観の変化が少ないわりに、中身は大きく改修されている。
そこで、この改良版コンパスをサイド評価してみようと考えた。もちろん、テスト車はPHEVの4xe。フォーバイイーと発音するそれは、来るべきトナーレの実力を推し量る材料にもなるだろう。
同時に、ジープにとっても非常に重要なモデルとなりうる。というのも、このアメリカの象徴的なブランドは、表層的な魅力を備えているものの、英国のユーザーのニーズを十分に満たしては来なかったからだ。