1989ポルシェ911ターボ(タイプ930)落札ならず ノスタルジック2デイズ×ヤフオク

公開 : 2022.02.27 20:04  更新 : 2022.02.27 20:04

ノスタルジック2デイズ×ヤフオク。1989ポルシェ911ターボ(タイプ930)のオークション結果を紹介。

1989ポルシェ911ターボ(タイプ930)の概要

自動車イベント「ノスタルジック2デイズ」と「コレクションカーオークション」のコラボレーションによりオークションが開催された。

「コレクションカーオークション」は、希少価値の高いクルマに特化したオークションハウスのBHオークションと、ネットオークションの「ヤフオク!」が協力して昨年6月から開かれている。

ポルシェ911ターボ(タイプ930)
ポルシェ911ターボ(タイプ930)    ノスタルジック2デイズ×ヤフオク

2022年2月27日に判明したオークションの結果を紹介。

1989ポルシェ911ターボ(タイプ930)

スタート価格:3316万3637円(税込3648万円)
最終結果:落札ならず
入札数:0

1989ポルシェ911ターボ(タイプ930)の詳細

この個体は930シリーズの中でも最も大きなマイナーチェンジがおこなわれた89年最終型、5速ミッションを搭載したモデルである。

それまで「911のハイパワーさえあれば4速で十分である」としていたポルシェだったが、本来のところ採用されていたサーボシンクロシステムがそのパワーに耐えられないというのが、事実だったようだ。

ポルシェ911ターボ(タイプ930)
ポルシェ911ターボ(タイプ930)    ノスタルジック2デイズ×ヤフオク

しかし最終型にしてこの問題を克服。

G930型4速MTから、ゲトラグ製G50型5速MTの採用が可能となり、930ターボのパワーを余すところなく路面に伝達することを可能とした。

この車両の希少性をあげているのは、日本におけるポルシェ史を支えてきたディーラーであるミツワ自動車から正規輸入され、エンジンマッチングも確認されている個体であるということだ。

ミツワ自動車は、1951年から924シリーズに始まり、968シリーズまで、国内におけるポルシェの知名度向上に貢献し続けてきたことで知られている。

その証明としてリアウインドウには、ミツワ自動車のステッカーが貼られており、初年度登録も89年と製造年とも一致している。

内装は、オールブラック。ダッシュボード、メーター類もオリジナル状態を維持し、非常に美しいコンディションを保つ。

オドメーターは1万2307kmを指し示している。

930ターボの最大の魅力は、やはりポルシェ伝統の空冷水平対抗エンジンに、そのコンパクトなボディと不釣り合いな大パワーを発揮するターボチャージャーを組み合わせたことにある。

930発表当時の仕様は3.0Lにエーベルスペヒャー製ターボを組み合わせて、260psを発揮。

この時点で市販モデルであっても実測250km以上のスピードをマークした。

さらに78年以降のモデルチェンジにより3.3Lにボアアップ、圧縮比7.0とKEジェトロに過給圧0.8バールのKKKターボを装着し、300psものパワーを発揮し、その過激さに磨きを掛けたのである。

この個体には日本の排ガス規制に合わせ、3.3L最高出力269psに設定されていてはいるものの、その爆発的な加速感は損なわれていない。

軽量ボディ、RRレイアウト、そしてこのパワーの組み合わせは、他を寄せ付けない運動性能を発揮した。

しかし、その操縦は困難で、熟練したドライバーでなければ乗りこなすことができないといわれている。

このエンジンパワーを受け止めるため、もちろんボディも作り直された。

初代のナローボディから、大口径タイヤを収めるため、前後ともフェンダー部分を拡張。

その大きく盛り上がったフェンダーデザインは、これまでのクラシカルなポルシェの美しさを残しながらも、より攻撃的でマッスルな印象へと進化した。

また大型なスポイラーも、スポーティさにより磨きをかけ、この車が「ポルシェ・ターボ神話」を作り上げた立役者であることを強く意識させてくれる。

加えて930登場前からアメリカ市場に合わせて備えられていたビッグバンパーとの組み合わせで、その迫力は一層強調されており、今のポルシェ像を確立した1台といえるだろう。

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    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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