1968ホンダS800 Mクーペ落札ならず ノスタルジック2デイズ×ヤフオク
公開 : 2022.02.27 20:23
ノスタルジック2デイズ×ヤフオク。1968ホンダS800 Mクーペのオークション結果を紹介。
1968ホンダS800 Mクーペの概要
自動車イベント「ノスタルジック2デイズ」と「コレクションカーオークション」のコラボレーションによりオークションが開催された。
「コレクションカーオークション」は、希少価値の高いクルマに特化したオークションハウスのBHオークションと、ネットオークションの「ヤフオク!」が協力して昨年6月から開かれている。
2022年2月27日に判明したオークションの結果を紹介。
1968ホンダS800 Mクーペ
スタート価格:800万円(税込880万円)
最終結果:落札ならず
入札数:0
1968ホンダS800 Mクーペの詳細
この車両は、ベルギーホンダにデリバリーされた個体であり、左ハンドルを備えた「ホンダS800 Mクーペ」とある。
「ホンダ S800 M」は元々輸出向けとして生産されたモデルであり、国内ではオープンルーフを備えたモデルだけ販売された。
その意味でもこの個体は希少性の高い「エスハチ」といえる。
さらに注目したいのが、この個体は日本国内で徹底的なレストレーションがおこなわれた車両であるということだ。
内外装ともに、限りなくオリジナル状態が維持され、50年以上前の車両であることをまったく意識させないコンディションとなっている。
足元にはRSCホイールのレプリカも装着され、まさに当時からそのままの姿で立ち現れた幻の個体といえるだろう。
ホンダの「Sシリーズ」は、非常に革新的なコンパクトスポーツとして、ホンダを二輪メーカーから、世界的な四輪メーカーへと花開かせた着火剤だった。
世界から一挙に注目を集めた「S360」から、初めて量販に漕ぎ着けた「S500」、そして「S600」を経て、ホンダが「Sシリーズ」の完成形として提示したのがこの「S800」である。
基本性能を「S500」から引き継ぎ、排気量を791ccへと引き上げられた 水冷4気筒DOHCエンジンは最高出力70psを発揮。最高速度は160kmを記録した。
これは世界的に見ても、小型スポーツカーにおいて頭一つ抜ける性能だった。
またエンジン特性は、4連キャブ、エキゾーストマニホールド、そして組み立て式クランクシャフトを備え、ホンダがモーターサイクル製造で培った高回転に特化した設計を採用。
その高回転まで気持ちよく噴き上がるエンジン特性は、すでにホンダが世界のエンジンメーカーであることをドライバーに感じさせた。
「Sシリーズ」もう1つの魅力は、その軽量コンパクトなボディにある。
世界的に小型スポーツカーが流行していた、1960年代。
その中でも無駄を一切感じさせない、洗練されたコンパクトボディと、それに付随する圧倒的な運動性能により、世界のスポーツカー乗りの注目を一挙に集めた。
S800 Mクーペの車重は720kg。この軽量さは、もちろん圧倒的な旋回性能に直結した。
さらに高性能エンジン、小気味よくシフト可能な4速フルシンクロMTは、ドライバーの操作をリニアに伝え、自動車を運転する楽しさを体現するような乗り味を実現した。
そしてエンジンフードを見れば「S800」のトレードマークであるバルジが、誇らしげに備えられる。
それは本田宗一郎が思い描いた理想の小型スポーツカーが、完成形へと結実したことを表現する証ともいえるだろう。