誰も知らないSUV 32選 前編 生まれる時期が早すぎた不運な名車・珍車
公開 : 2022.03.05 06:05
今や人気絶頂のSUV。しかし、注目を集めることなく忘れられてしまった不運なモデルも数多く存在します。
もくじ
ー生まれる時期を間違えた? 影の薄いSUVたち
ーアルファ・ロメオ・マッタ(1951年)
ーインターナショナル・ハーベスター・トラベル(1953年)
ージープスター・コマンドー(1967年)
ープリムス・トレイルダスター(1974年)
ーUMMアルター(1984年)
ーダイハツ・ロッキー(1988年)
ーベルトーネ・フリークライマー(1989年)
ーラフォルツァ5リッター(1989年)
ービアジーニ・パッソ(1990年)
ーマツダ・ナバホ(1990年)
ーオールズモビル・ブラバダ(1990年)
ーいすゞ・アミーゴ(1990年)
ーホンダ・クロスロード(1993年、初代)
ーホンダ・パスポート(1993年、初代)
ーポンティアック・サンランナー(1994年)
生まれる時期を間違えた? 影の薄いSUVたち
市場に早く出ることは、必ずしも良いとは限らない。
2022年現在、SUVは街角に溢れているが、このボディスタイルが台頭したのは比較的最近のことである。今のような人気を集める前に発売されたSUVの多くは、ほぼ完全に忘れ去られているか、あるいは後塵を拝した存在として不名誉なレッテルを貼られている。
現在のSUVの原型となったモデルもあるが、街で見かけることはほとんどない。今回は、ジープのようなアルファ・ロメオから、いすゞの奇想天外なコンセプトまで、覚えておきたいSUVの数々を紹介する。
アルファ・ロメオ・マッタ(1951年)
アルファ・ロメオは走りの性能に根ざしたブランドだが、商用車も多く販売しており、各種バンや1951年に登場したオフローダーのマッタ(Matta)などがある。マッタはイタリア軍向けに開発されたが、最終的にフィアットの提案した初代カンパニョーラが採用された。
アルファ・ロメオはマッタの販売を断念せず、1951年から1955年にかけて約2059台を製造した。そのほとんどはイタリアの政府機関(皮肉にも軍隊を含む)の手に渡ったものの、数百台は一般市民にも販売された。マッタは、1900に搭載されたデュアルオーバーヘッドカム(DOHC)の1.9L 4気筒エンジンを流用した、見た目どおりの初歩的なモデルである。
インターナショナル・ハーベスター・トラベル(1953年)
インターナショナル・ハーベスターは、1953年から1975年まで4世代にわたってピックアップベースのSUVにトラベル(Travelall)の名を冠していた。トラック由来の足回りからわかるように頑丈で、ほとんどのモデルに四輪駆動が設定された。
コンバインやトラクターを設計していた会社が製造した乗用車だが、家族全員でブランチに行くのは想像以上に快適だったようだ。インターナショナル・ハーベスターは1960年代、4WDを日常の足とする購入者のニーズに応え、トラベルの乗り心地を改善していった。
そんなトラベルに影を落としていたのが、シボレー・サバーバンだ。トラベルには、ピックアップトラックとSUVの中間的な存在で、5輪トレーラーの牽引を想定した「ワゴンマスター」も土壇場で追加されたが、販売台数は伸びなかった。
1975年のモデルイヤーを最後に、ワゴンマスターは引退。インターナショナル・ハーベスターは、1980年に乗用車の製造を中止した。写真は最終世代モデル。