2030年までに17車種の新型EV発売 ヒョンデ 次世代プラットフォーム導入急ぐ

公開 : 2022.03.04 06:05

ヒョンデは新たなEV戦略を発表し、次世代プラットフォームと17台のEVを8年以内に導入するとしています。

2030年までにEV販売台数187万台を目標

ヒョンデ(ヒュンダイ)は、2025年に第2世代のEV用プラットフォーム「インテグレーテッド・モジュラー・アーキテクチャー(IMA)」を導入し、製造コスト削減の観点からバッテリーとモーターを標準化する予定である。

新開発のIMAは、ヒョンデ・アイオニック5キアEV6、ジェネシスGV60が使用する現行のE-GMPプラットフォームよりも航続距離の面で有利という。乗用車と商用車の両方に使用される予定だ。

ヒョンデ・アイオニック7のコンセプト
ヒョンデ・アイオニック7のコンセプト    ヒョンデ

バッテリーパックは標準化されたセルとパックのユニットに変更され、必要に応じて「柔軟に」統合することができるようになる。この構造方式により、エネルギー密度が向上し、充電時間も改善されるとしている。

このIMAプラットフォームの概要とともに、ヒョンデは2030年までにEVの年間販売台数を187万台(市場シェア7%に相当)に増やすという野心的な戦略を発表した。以前は2025年までに56万台のEVを販売する計画であった。「BEVラインナップの強化、生産能力の最適化、ハード・ソフトの競争力確保」がこの新戦略の柱となる。

ヒョンデは、新しいEV用プラットフォームを導入するとともに、今後8年間で17車種のBEV(うち11車種はヒョンデ、6車種は高級ブランドのジェネシス)を導入するとしている。

E-GMPに代わる新プラットフォーム

ヒョンデが展開予定のEVは、3車種がセダン、6車種がSUV、1車種が小型商用車、もう1車種が「新型モデル」(詳細は不明)となる。大型フラッグシップSUVのアイオニック7は、2024年の欧州発売が決定している。

一方、高級ブランドのジェネシスは新型エレクトリファイドGV70を皮切りに、2車種のセダン(またはワゴン)と4車種のSUVを発売する予定。2025年からはEVのみを発売する計画だ。

現行世代のEV用プラットフォーム「E-GMP」
現行世代のEV用プラットフォーム「E-GMP」

この急速な全面電動化を支えるべく、ヒョンデは「BEV生産のための高効率製造プロセス」を確立しようとしている。シンガポールにある同社のイノベーションセンターは、「人間中心の製造イノベーション・プラットフォーム」の構築を任されている。

この新しい製造プロセスによって効率性、柔軟性、自動化が劇的に向上するという。

EV展開に必要なバッテリーについては、2025年から「次世代リチウムバッテリー」の半分を世界のバッテリーメーカーから新たな提携を通じて調達し、2030年に向けて170GWhのバッテリー確保を目指す。

また、エネルギー密度とコスト効率の向上について、複数のグローバルパートナー企業と協力していることを明らかにし、固体電池の導入計画も示唆している。

ソフトウェア面では75億ポンド(約1兆1500億円)相当の投資を計画しており、2022年末に新型車の無線アップデートを開始し、2025年までに全モデルに機能を拡大する予定である。2030年からは売上高の30%をソフトウェア関連事業で賄う計画だ。

また、2022年後半には高級セダンのジェネシスG90にレベル3の自動運転機能「ハイウェイ・ドライビング・パイロット」を新たに導入することを表明している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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