次期メルセデスAMG E 53 プロトタイプ発見 6代目「W214」は5G通信やレベル3自動運転導入
公開 : 2022.03.11 18:05
メルセデスAMGの次期E 53のプロトタイプが目撃されました。4気筒または6気筒のPHEVとなる予定。
AMGも電動化を加速 高性能PHEVセダン
メルセデス・ベンツの次世代Eクラスは2023年に登場する予定だが、このたびメルセデスAMGのスポーツセダン「E 53」のプロトタイプを初めて見ることができた。
現行モデルと同様、AMG専用グリルや大型ブレーキ、スポーツエグゾーストなど独自のデザインを採り入れているが、最も大きな違いは外観ではなく中身にある。
社内では「W214」というコードネームで呼ばれている次期Eクラスは、プラットフォーム、電気アーキテクチャー、エンジンの改良を中心に開発が進められている。特に電気アーキテクチャーは、レベル3の自動運転や、高速無線ソフトウェアアップデートを可能にする5G通信などの新機能を実装すべく大幅に改良されている。
メルセデスのラインナップでは、EQEが完全EVとして販売されるため、次期Eクラスは現在の4気筒および6気筒エンジンの電動化バージョンを搭載することになるだろう。
現行のE 63に搭載される4.0L V8ツインターボは、次期モデルではもはや導入されないことを関係者が示唆している。C 63と同様、プラグイン・ハイブリッドによる電動アシストを備えたターボ2.0L 4気筒ターボ「M139」で、合計出力は最大600ps以上になるという。
既存の4気筒ガソリン「M254」と4気筒ディーゼル「OM654」は、スターター/ジェネレーターと48Vシステムを統合し、排気システムを変更してEU7の排ガス規制を満たすモデルとして販売される予定である。
2.9L直列6気筒ターボガソリン「M256」と3.0L直列6気筒ディーゼル「OM656」も同様の改良を受ける予定で、それぞれ合計出力440psと335psのハイブリッド車となる見込み。
また、すべてのプラグイン・ハイブリッド車にS 580eと同じ28.6kWhのバッテリーを搭載し、100km以上のEV走行距離を目指す。各モデルには9速トルクコンバーター式ATが採用される予定で、エントリーモデルには後輪駆動、AMGなどパワフルなモデルには四輪駆動システムの4マティックが設定される。
わずかにサイズアップ エアサスや後輪操舵も導入
スタイリングは、最新のSクラスを踏襲し、スクエアなヘッドライトとクロームメッキの大型グリルで構成されるフロントエンドが特徴となる。今回撮影されたプロトタイプではカモフラージュが施されているが、リアはSクラスとCクラスをミックスしたようなデザインになるとされている。
セダンタイプとともに、ワゴンとオールテレインの後継モデルも2024年に発売される予定だ。クーペとカブリオレについてはほとんど言及されていないが、最近メルセデスが商標登録した「CLE」が、これら両車と小型2ドアのCクラスの後継になると考えられる。
MRAプラットフォームを採用する次期Eクラスは、現行の5代目モデルよりもホイールベースがわずかに長くなっている。トレッド幅も拡大され、全長と室内寸法が大きくなるようだ。
新しいサイズに合わせて、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションとマルチリンク式リアサスペンションも変更される。オプションのエアサスペンションや、後輪操舵システム(後輪で最大10度の操舵が可能)も提供される予定。
また、過去のモデルと同じように、安全性に抜かりはない。Sクラスの運転支援システムをすべて採用するとともに、LiDARベースのセンサーによるレベル3の自動運転機能にも対応する計画だ。
インテリアでは、最新のCクラスやSクラスと同様のレイアウトを採用する。独立したディスプレイパネルにデジタルメーターが設置され、オプションで3Dグラフィックを選ぶことができる。また、センターコンソールにはインフォテインメント機能用のポートレートスタイルのディスプレイが設置されている。