ボルボを変えた男 ホーカン・サミュエルソンCEO退任 安全性重視、電動化、イメージ刷新

公開 : 2022.03.22 18:45

ボルボのホーカン・サミュエルソン氏がCEOを退任しました。彼の在任中の出来事を簡単に振り返ります。

ボルボのホーカン・サミュエルソンCEOが、約10年務めたトップの座を退いた。後任として、ダイソンの元社長ジム・ローワンが就任した。

サミュエルソンの指揮の下、ボルボは製品ラインナップの再編成、新プラットフォームの開発、販売記録の更新、電動化を基盤とした将来への取り組みを行う一方、交通事故死をゼロにするために全モデルの最高速度を180km/hに制限するなど、安全を最優先とした活動を続けてきた。ボルボの95年の歴史の中で最も革新的な時代の1つと言っていいだろう。

ホーカン・サミュエルソン氏
ホーカン・サミュエルソン氏

我々AUTOCARが知る限り、サミュエルソンは非常に率直なCEOであり、多くのテーマについて積極的に語り、常に率直な答えを返してくれた。また、自動車の製造・販売プロセスの変化をいち早く察知し、ライバルに先んじた行動をとるなど、その能力も惜しまれるところだ。

以下、彼の在任中の画期的な出来事をいくつか紹介しよう。

●ホーカン・サミュエルソンCEO在任中の主な動き

2014年:2013年の販売好調を受け、新型XC90でラインナップの活性化を開始。これはジーリー(吉利)傘下で開発された最初のモデルである。

2015年:世界販売台数が初めて50万台の大台に乗る。

2016年:またもや販売好調。この年、新しいSPAプラットフォームをベースにした車両生産のため、米国に工場の建設を開始する。自動運転車の開発でウーバーと提携。

2017年:わずか2年でラインナップを電動化することを宣言。兄弟ブランドとしてポールスターを立ち上げる。

2018年:ボルボXC40が欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞して販売台数をさらに伸ばす。「360c」コンセプトでは自動運転の狙いを示唆した。

2019年:電動化を実行し、初のEVを公開。

2020年:AUTOCARはブランドイメージ刷新、生産能力の倍増、急速な電動化を評価し、サミュエルソンCEOにイシゴニス賞を授与。

2021年:半導体不足にもかかわらず、販売台数は約70万台を達成。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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