メルセデス・ベンツCクラス・オールテレインの存在意義は? ステーションワゴンと比較
公開 : 2022.04.02 05:45 更新 : 2022.04.05 06:56
メルセデス・ベンツCクラスにオールテレインが登場。ワゴン以上、SUV未満の良し悪しを解説します。
Cクラス初「オールテレイン」とは?
昨年デビューしたメルセデス・ベンツCクラスにクロスオーバーモデルのオールテレインが追加された。
以前からEクラスに用意されていたオールテレインだが、Cクラス版は今回が初登場となる。
見た目の識別点はフロントグリル内の水平のバー上に左右2つずつ穴が開いている点と前後バンパー下に装着されたクロームカラーのアンダーガード風パーツ。
横方向では無塗装の前後フェンダーアーチが良く目立つ。車高はベースとなったCクラス・ステーションワゴン比で4cm高くなっているが、これはタイヤが若干肉厚になっていること(40に対し45扁平)、そしてスプリング長による車高設定によって達成されている。
これと似たクロスオーバーはアウディのオールロードやボルボのクロスカントリーシリーズとなる。
だがメルセデスのそれはライバルよりもシティ派に見える。
ルーフレールがメッキのモールにとどまっている点や、バンパー下のクロームパーツが目立つこと、そして現代のメルセデスがツルッとしたスタイリングだからというのがその理由だ。
パワートレインはC 220d 4マティック・オールテレインという車名からもわかるとおりディーゼルユニットが搭載されている。
現行のCクラスはラインナップ中のすべてのパワートレインが電動化されていることも売り文句の1つ。
オールテレインのそれも2L直列4気筒ディーゼルターボにISGを組み合わせたMHEVユニットとなっている。
4cmの差 アラフィフに効く?
普段あまり車高を気にしたことがない人は4cmという高さがどれほどのものか把握しづらいかもしれない。
標準のCクラス・ステーションワゴンと並んだ印象はけっこう高く見える。
フェンダーアーチとタイヤの隙間からは、スプリングが「見ようと思えば」見えるのだ。
この4cmにどんなメリットがあるのか?
すべての人にいえるのは乗り降りが楽という点だ。
クロスオーバーSUVを知る今どきの人にとってセダン系のシート位置は低い。
アラフィフより上の世代なら「膝や腰に来る!」という人も多いはず。
ところがこのアラフィフより上の世代は、ボディが分厚いSUVに抵抗があったりもする。
そこでセダン以上、SUV未満という絶妙な高さ設定のオールテレインにありがたみを感じるというわけ。
一方4cmが走行性能にもたらす違いは「ロードクリアランスの確保」に尽きる。
登山、山菜取り、渓流釣りといった深いわだちの林道を走行しなければならない人にとってこの4cm高は、車体下を擦るか、擦らないかの問題に決定的な違いをもたらす。
また標準のCクラス・ステーションワゴンにはない装備として、ダイナミックセレクト(走行モード切替)が挙げられる。
オフロードとオフロード+という2つのモードが追加されているのだ。
エアサスを備えたEクラス・オールテレインのように万能ではないが、泥濘地などではかさ上げされた車高を最大限に活用するために欠かせない装備といえるだろう。