レクサス「オフロード体験施設」を富士スピードウェイに計画中 現地取材

公開 : 2022.03.31 22:25  更新 : 2022.03.31 23:06

富士スピードウェイに、オフロード・コースがあったのをご存知ですか? 今後レクサスの体験型施設に生まれ変わる可能性も。まだ計画段階ですが、取材してきました。

レクサスの体験型施設 場所は?

レクサスが、富士スピードウェイの敷地内に、ブランドの体験型施設を計画していることが分かった。

それも、オフロード走行に主眼を置いているという。

レクサスが、オフロードの体験型施設を富士スピードウェイに計画している。写真は、今年1月に発売されたばかりの新型レクサスLX。
レクサスが、オフロードの体験型施設を富士スピードウェイに計画している。写真は、今年1月に発売されたばかりの新型レクサスLX。    宮澤佳久

場所は、富士スピードウェイに点在する駐車場のうち、パーキング「P10 B」の北側。

グーグル・ストリートビューで見て頂くと、手つかずの草木が茂り、足を踏み入れるのを躊躇する小山を見つけられるだろう。

ここは、かつてオフロードコースとして使われていた時期があり、今から15年ほど前にその運用を終えている。

その存在を外部に積極的に知らせていなかったので、初耳という方も多いはずだ。

2022年3月。まだ計画段階というコースを訪問することができた。現地にはストリートビューの景色とは異なる光景が広がっていた。

施設の概要 Aコースを体験

施設の全体像を説明すると、Aコース・Bコースという2種類のオフロードと、その間に位置しカスタマーを受け入れる大きなテント、という3つのエリアで構成されている。

現段階では、レクサスLXのオーナー限定で、悪路走破性能を存分に味わってもらう場になる方向だ。

富士スピードウェイの外周路を、1コーナーのあたりからショートサーキットに向かう分かれ道。そこを下っていくと、途中にこのオフロードコースが現れる。
富士スピードウェイの外周路を、1コーナーのあたりからショートサーキットに向かう分かれ道。そこを下っていくと、途中にこのオフロードコースが現れる。    宮澤佳久

テントには大きなディスプレイが設置され、レクサスの“匠”の方からコースの説明、LXに搭載されたオフロード機能のレクチャーを受けることができる。

取材班はオフロード・ドライビングの知識がないうえ、高額な車両(LXエグゼクティブは1800万円)に何かあってはいけないので、匠が同乗&アドバイスをしてくれると聞き、胸をなでおろした。

Aコースは凄い。

体験型コースによく見られる人造オフロードといった感はなく、自然の地形・急斜面を生かした造りになっている。

第一印象は、全幅2m・全長5mオーバーのLXを素人が取り回すには狭すぎる、という恐怖心だ。

カメラと匠の声に導かれ……

林間を抜けるセクションは、所々で道幅が決して広くはないと感じる。そのうえ、倒木が転がっていたり、両脇に木々が迫っているのでボディを擦りそう。

また、(オフロード経験のある方ならお分かりだろうが)コブや急斜面を登るときは、眼前に四角いボンネットが広がり視界は遮られる。乗り越えた先が、崖なのか、岩が転がっているのかまるで見当がつかない。

新型レクサスLXのマルチテレインモニター。Bコースで撮影。
新型レクサスLXのマルチテレインモニター。Bコースで撮影。    宮澤佳久

こうしたときは、サイドカメラやアンダーボディの映像を映すモニターに救いを求め、その先の状況・障害物との距離感を把握する。

不安なときは匠の落ち着いたアドバイスが心強い。

「ここは内側に木が立っています。大回りでアプローチしてください」

「もうちょっと右です。もう10cm寄りましょう。木があるので、右のミラーだけ気をつけて下さい。このままで大丈夫ですよ」

学びは、カメラで見えるからとはいえ、危険な箇所はゆっくりゆっくり前進すること。匠が走らせるデモ走行でも、危ないエリアではやはり少しずつ進んでいた。

「カメラがあるから安心」と考えると、映像をよく見ず前に出て痛い目に合う。

「カメラの映像を見て作戦を練りながら」10cm、20cmと進んでいくイメージ。分かっていても、気がせってなかなかできないが、オフロードの作法として心がけようと思った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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