最速試乗 マツダCX-60 PHEV/ディーゼルを試す 他社とも違う「新しい乗り味」
公開 : 2022.04.07 11:03
マツダCX-60PHEV/ディーゼルモデルに試乗。現行マツダ車とも、他メーカーFR系SUVとも「ふた味違う」乗り味を解説します。
日本でも大きすぎないサイズ感
ついにこの日がやってきた。
2020年代に入ってからさまざまなうわさが流れてきた、マツダ待望の次世代SUV「CX-60」が正式発表されたのだ。
それに伴い、報道陣向けにマツダ美祢自動車試験場で開催された、CX-60試乗会に参加することができた。
今回用意されたモデルは、左ハンドル仕様のプロトタイプである。
内外装には黒と深いグレーを基調としたカモフラージュがなされており、またNVH(ノイズ/振動/路面からの突き上げ)などについてさらなる熟成がおこなわれることを前提としての試乗となった。
まずは、ボディ寸法から見ていこう。
全長4742mm×全幅1890mm×全高1691mm、ホイールベースが2870mm。日本車としては大柄の部類だが、実物を目の前にすると「たしかに大きいが、日本の道でもけっして大き過ぎることはない」といった印象を持った。
さらに、外観デザインの印象としては、ひと目でマツダ車と分かる魂動デザインのテイストを感じる。
左側のドアを開けて室内に入ると、第一印象としてダッシュボードが低いと感じる。
そのダッシュボードが水平基調に左右に広がっており、前方と左右窓を介した見切りがとても良い。
ステアリングは現行のマツダ車を応用し、インパネまわりの雰囲気はマツダ車をブラッシュアップした雰囲気がある。
では、走り出してみよう……。
現行マツダの「人馬一体」とは違う
今回の試乗車は2モデルあった。
最初に乗ったのは、プラグインハイブリッド車だ。
搭載するパワーユニットは、直列4気筒2.5Lガソリンエンジン(最高出力141kW/最大トルク26.6kg-m)と電機駆動モーター(最大出力175.4ps/最大トルク27.5kg-m)。システム総出力は最高出力327.7ps、最大トルクが51.0kg-mである。
駆動方式はAWD(四輪駆動)でトランスミッションはマツダ内製で新開発した8速ATを採用した。
駆動用のリチウムイオン電池のパッケージは電気容量が17.8kW。バッテリー本体であるセルはプライム・プラネット・エナジー&ソルーションズ製の角型3.7Vを96個搭載している。
走り出すと、クルマ全体がカッチリした印象を持った。
ステアリングのフィーリングもやや抵抗感があってカッチリしている。
ステアリング操作に対するクルマの動きは、いわゆるリニア感とか、マツダがいう人馬一体という感じに近いように思えるが、現行マツダ車の「それ」とはどこか違う。
これぞ、ラージ商品群の車体設計で掲げている、身体拡張能力ではないだろうか。
人馬一体の場合、文字どおり、人が馬という動物を操るような直感があるが、身体拡張能力と表現した場合、人が扱う道具へ人の意識が伝わるようか感覚を示す。例えば、食事の際に人が箸を使うとき、人の意識が箸の先端に伝わるかのように。