ディーゼルも有能な選択肢 メルセデス・ベンツCクラス 220d エステートへ試乗 前編
公開 : 2022.04.13 08:25 更新 : 2022.04.19 22:17
新型Cクラスで、ステーションワゴンのディーゼル。旧来的な組み合わせでも、まだ訴求力は高いと英国編集部は評価します。
アンビエントライトに大きなタッチモニター
最近の夜の街には、LEDの光が溢れている。優しいオレンジ色ではなく、赤や青、緑といった、目に眩しい色調のものが。当初は少々賑やかすぎると感じていたが、最近は見慣れてきたように思う。
新しいメルセデス・ベンツCクラスの車内にも、鮮やかなLEDライトが埋め込まれている。ダッシュボードのトリムの隙間だけでなく、リアドアのハンドル部分や天井の小さなパネル、エアコンの送風口まで、まんべんなく。
その光の色は、ダッシュボード中央の巨大なタッチモニターのメニューから、カラーピッカーを使って自由に選べる。筆者は明るめのピンクが良いと思ったが、色の選択肢はほぼ無限といっていい。近年の若者が喜ぶ、しかけなのだろう。
タッチモニターも、新しい自動車にとって不可欠なものになった。Dセグメントの上級サルーン以外でも。新しいCクラスのダッシュボードには、実際に押せるハードボタンが殆ど残っていない。ほぼすべての車載機能を、タッチモニターから操作する。
これらのモダンさを感じさせるテクノロジーは、クルマの売り上げを左右するゲームチェンジャー的要素の1つといえる。自動車業界全体に蔓延している、逆らえないような流れでもある。
扱いやすく反応が素早い最新のMBUX
数年前のとある調査によると、自動車購買層の多くは安全運転支援システムより、上級なインフォテインメント・システムに多くの費用を費やしたいと考えていることが明らかになった。メルセデス・ベンツが、Cクラスで正しい判断をしたと考えることができる。
ただし、数年前の安全運転支援システムは、まだ充分に機能しないものが多かった。最新のものは、だいぶ有用なものへ進化していると思う。
新しいCクラスのダッシュボード中央に据えられるタッチモニターは、11.9インチ。最新のMBUXシステムで稼働し、会話形式での音声認識機能も備わる。クルマと対話するような、不思議な感情も抱ける。往年のナイトライダーの主役、キットのようだ。
MBUXはスマートフォンとも連携できる。アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応し、ワイヤレスでタッチモニターとのミラーリングも可能。もちろん、ナビゲーションやエアコンも司る。
ドライバーの正面には、12.3インチのメーター用モニターが構えている。スピードとタコメーターという基本的な組み合わせのほかにも、表示レイアウトはある程度カスタマイズできる。中央部分にナビ画面が表示できれば、なお良いはずだ。
MBUXシステムは不満なく動作し、ユーザーが操作方法を覚えるのも難しくない。グラフィックは非常に滑らかで、入力に対する反応も素早い。試乗中に不具合が起きることもなかった。今から10年後の車内がどうなっているのが、興味も湧いてしまった。