「マツダCX-60」 なぜ、この時代に大排気量/縦置きエンジン? 日本発表で明らかに

公開 : 2022.04.07 12:08  更新 : 2022.04.07 12:18

マツダの新型SUV「CX-60」が日本発表されました。注目は、エンジンの排気量アップと、縦置きレイアウトのプラットフォーム。なぜ、そんなパッケージを選んだのでしょう?

新型SUV「CX-60」 日本発売は秋

マツダが、新型の2列シートSUV「CX-60」の日本導入を正式発表した。発売は、2022年の初秋を予定しているという。

これは、マツダがラージ商品群と呼ぶ新世代ミドルサイズSUVの第1弾で、後輪駆動用のプラットフォームを採用するモデルだ。

マツダCX-60(欧州モデル)
マツダCX-60(欧州モデル)    マツダ

パワートレインは内燃仕様が2種類(ガソリン/ディーゼル)、ハイブリッド仕様が2種類(M-HEV/マツダ初のPHEV)という合計4種類。

エンジンは、2.5Lの直4ガソリン、3.3Lの新開発ディーゼルという2種類が用意された。

ダウンサイズが合言葉となった昨今の自動車業界では、なかなか目にしなくなった排気量が並ぶ。

なかでも、3.3Lのディーゼル・ユニットはラージ商品群の核と位置づけられている。

なぜマツダは、排気量をアップした6気筒の新型エンジンを開発したのか? そしてラージ商品群の狙いはどこにあるのか。

そもそもラージ商品群とは?

ラージ商品群についてマツダは、「ビジネス、ブランドをもう一段ステップアップさせるための戦略的な商品群として、既存のお客様に加え、より上級車志向の新しいお客様との絆を深める」モデルと位置づけている。

これを実現するために新開発された技術が、ラージ商品群のマルチソリューション・アーキテクチャと呼ばれるもの。

マツダCX-60(欧州モデル)
マツダCX-60(欧州モデル)    マツダ

マツダは、近年は「電動化への移行期であり、内燃機関が混在する」期間と考えており、この移行段階で「最も重要なのは、使用エネルギーの節約」と語る。

「ガソリン、軽油仕様、その先のカーボンニュートラル燃料の実現性に備え、使用エネルギーの節約という点で、内燃機関を効率面でゴールといえる所まで進化させおく」というのは実にマツダらしい発想だろう。

これらを踏まえた最も合理的な電動化パッケージは、

・内燃機関は高効率領域を拡大
・内燃機関が苦手な軽負荷の領域を小さいモーターとバッテリーでアシストする

と考え、それを複数のパワートレインで実現できるマルチなアーキテクチャを開発したわけだ。

PHEVとマイルドハイブリッド

マツダは、現代では比較的排気量が大きいエンジンを採用したことについて、こう説明している。

「たくさんの空気があるほど高効率なリーンバーンができ、綺麗に混ざった均一な混合気を低温で燃やせて、必要なときには大きな力を取り出せる」

マツダCX-60プロトタイプ
マツダCX-60プロトタイプ    マツダ

つまり、大排気量化は「理想の燃焼とあいまって、全域での燃費向上とNOx低減/平均トルク向上」をもたらし、環境性能に加えて、意のままの走りにも貢献するというのだ。

CX-60の4種類のパワートレインのうち、ハイブリッド仕様2種類は下記のパッケージが用意される。

3.3L直6ディーゼル+48Vマイルドハイブリッド

48V M-HEVは、大排気量ユニットと組み合わせることで、小排気量と比べて唯一の弱点である軽負荷領域を小さなモーターで補うパッケージとされた。

2.5L直4ガソリン+プラグインハイブリッド

大きなモーターが中負荷まで担うのがこのパッケージ。中高負荷領域の燃費に優れる2.5L直4と組み合わせた。大容量バッテリーは床下に配置する。

これ以外に、3.3L直6ディーゼル、2.5L直4ガソリンの内燃エンジン車もラインナップされ、合計4種類のパワートレインが存在する形だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

マツダCX-60最新情報の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事