新型スマート#1 生まれ変わったブランド第一弾、欧州発表 高級志向のEVクロスオーバー

公開 : 2022.04.08 18:05

スマートにとって2014年以来の新型車となる「#1」がついに公開。中国企業の独自技術も導入されています。

上品でおしゃれなブランドとして再出発

スマートは、新型EVクロスオーバー「#1」を発表した。創立28年のスマートは、デザイン重視の電動モビリティ・ブランドとして生まれ変わろうとしている。

#1は、これまでのスマート・フォーツーやスマート・フォフォーとはまったく無関係のモデルであり、2019年に中国の自動車グループであるジーリーが50%の株式を取得して以来、初の新型車となる。また、スマートブランドとしても2014年以来の新型車であり、同社の欧州部門CEOであるディルク・アーデルマンは、「来るべきすべての核」と表現している。

新型スマート#1
新型スマート#1    スマート

昨年のミュンヘン・モーターショーで公開されたコンセプトから外観をほとんど変えておらず、日産アリアルノーメガーヌEテックなどをライバルに見据えた高級志向のクロスオーバーである。スマートによると、室内空間の最大化に注力した結果、メルセデス・ベンツEクラスと同等の室内空間を実現したという。

欧州向けモデルとしては初めて、ジーリーのEV用プラットフォーム「SEA」を採用。これはボルボの次期電動SUVにも使用される予定だ。スマートの株式を共有するメルセデスとジーリーはそれぞれ役割を分担しており、前者がデザインを、後者が基本的なアーキテクチャー開発を担当する。

メルセデスのチーフ・デザイン・オフィサーであるゴードン・ワグネルは、「センシュアル・プロダクト」と呼ばれる新しいデザイン理念について、「大人っぽく、クールで、スマートなソリューションで美しさを体現するもの」と説明している。

NMCバッテリー搭載 航続距離は400km以上?

#1の航続距離はまだ公開されていないが、66kWhのニッケルマンガンコバルトバッテリーを搭載している。このバッテリーは最大440kmの航続距離を実現できるとされ、150kWの急速充電能力により、10~80%の充電を30分以内に完了することが可能だという。

エクステリアでは、空力効率を重視したデザインにより、その航続距離の最大化が図られている。フラッシュ式ドアハンドル、可動式グリルシャッター、滑らかな曲線的シルエットによって空気抵抗係数0.29を達成。この数値は、フォルクスワーゲンID.4とほぼ同等だ。

新型スマート#1
新型スマート#1    スマート

また、ラップアラウンド型のフロントライトバー、ツートンカラーの塗装、「フライング」ルーフ、力強さも感じさせるコンパクトなプロポーションなど、新しく生まれ変わるスマートブランドの特徴になるであろうデザイン要素も備えている。

インテリアでは、コネクティビティと「ユーザーセントリック(ユーザー中心)」であることを最優先に設計されている。12.8インチの高解像度インフォテインメント・スクリーンはフルカスタマイズが可能で、音声コマンドに反応するアバター(現在はキツネだが、今後のアップデートで他のキャラクターも登場予定)のインターフェースを持つ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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