気にするのは航続距離だけ? 燃費ならぬ「電費」 カタログに載らないEVのコスパ
公開 : 2022.04.13 05:45 更新 : 2022.04.13 19:03
EVを選択するうえでは、カタログにも明記されていないこともある「電費」も重要な要素に。今回は「電費」について解説します。
気になるのは航続距離だけ?
ここのところ注目度が増している電気自動車。
モーターならではの加速力や静粛性の高さだけでなく、最近では高騰が続くガソリンよりも少ないコストで車両を走らせることができるという点にも注目が集まっている。
そんな電気自動車ではあるが、多くの人が気にするのは満充電あたりの航続距離だろう。
たしかに充電に時間がかかり、地域によっては充電スポットが少ないところもあるため、1度のフル充電で長い距離を走ることができるというのは気になるポイントであることは間違いない。
その一方であまり注目されていないのが電気自動車の「電費」ではないだろうか?
内燃機関を搭載した車両でいうところの「燃費」と同じ意味を持つ電費というのは、燃費が燃料1リッター当たり何km走行できるかを表しているのと同様に、電力1kWh当たり何km走行できるかを表している。
つまり、電気自動車の航続距離というのは、1kWh当たりで走行できる距離とバッテリーの容量をかけたものということになり、同じバッテリー容量の車両であれば、当然ながら電費の良い車両の方が航続距離も伸びるというワケだ。
厳密にいうと搭載されているバッテリー容量の100%を航続距離に回すことができないのだが、これは内燃機関車が燃料タンクの形状によって最後の1滴まで燃料を使えないのと同じと思っていただければいいだろう。
カタログには載ってない?
航続距離を気にするのであれば、チェックしておきたい電費だが、実はカタログには航続距離のみの記載で電費は記載されていないことがほとんど。
その代わり「交流電力量消費率」というものが記載されており、これは1kmを走行するのにどのくらいの電力が必要になるかというもの。こちらは数字が低いほど電費に優れているという意味になる。
ここでは内燃機関車の燃費と同じく、WLTCモード、市街地モード、郊外モード、高速道路モードと走行パターンごとに記載されているため、その車両がどういったシチュエーションを得意をしているかを把握することができる。
しかし、1リッター当たりどのくらい走れるかという燃費に慣れ親しんだわれわれにとっては少々分かりにくいという点もあるため、イメージを明確にするためにも「電費」に換算したいところ。
その場合、カタログに記載されている「一充電走行距離(航続距離)」と「駆動用バッテリーの総電力量」から簡単に導き出すことができる。
例えば日産の新型電気自動車、アリアのB6系であれば、一充電走行距離が470km、駆動要バッテリーの総電力量が66kWhとなっているから、470÷66でカタログ上の電費はおよそ7.1km/kWhということになるというワケなのだ。