満面の笑顔を引き出せる マツダMX-5(ロードスター) 2.0へ試乗 2022年版小変更

公開 : 2022.04.26 08:25

英国編集部お気に入りのマツダMX-5が、2022年仕様にリフレッシュ。運転時の笑顔は満面のままだと、評価します。

NAエンジンのFRでオープンという個性

マツダMX-5(ロードスター)が、2022年仕様として僅かなリフレッシュを受けた。今回試乗したクルマの英国価格は3万870ポンド(約494万円)と、なかなかの金額ではある。カメラマンも少し驚いていた。

とはいえ、これはトップグレードの2.0Lエンジン版GTスポーツ・テックの場合。1.5Lエンジンを選べば、2万4775ポンド(約396万円)万円から手に入る。それでも、クルマ好きのためのピュアなモデルは、すっかり価格が上昇してしまった。

マツダMX-5(ロードスター) 2.0 GTスポーツ・テック(英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター) 2.0 GTスポーツ・テック(英国仕様)

マツダMX-5のユニークさは、2022年でも変わらない。小柄なオープンボディのフロントに、自然吸気の4気筒エンジンを搭載する、2シーターの後輪駆動だ。トランスミッションにはマニュアルも用意され、リアにはリミテッドスリップ・デフが付く。

英国価格が高くなったといっても、まだお手頃とは呼べる範囲にある。トヨタGR86も気になる存在ではあるが、そちらのルーフは開くことができない。

そんなマツダMX-5に、小さな改良が加えられた。登場時から素晴らしいドライビング体験を味わわせてくれた4代目なだけに、改めて試乗してその魅力を確かめてみたい。

2022年仕様で新しく追加されたものは、プラチナクォーツ・メタリックと呼ばれる塗装。シャンパンカラーの明るい色だ。さらに、ポリメタル・グレーという落ち着いた色も選べる。今回の試乗車は、こちらで仕上げられていた。

トルクベクタリング機能が追加

さらにMX-5へは、マツダがキネマティック・ポスチャー・コントロールと呼ぶシステムも追加されている。基本的にはブレーキ制御によるトルクベクタリング機能で、旋回性を高めるとともに、ボディロールも僅かに抑え込んでいる。

ただし、2021年仕様のMX-5と直接乗り比べなければ、走行中に変化を実感することは難しい。スポーツサスペンションにビルシュタイン社製のダンパーが組まれた試乗車が、現代のスポーツカー基準で出色の機敏さを備えることは、間違いないけれど。

マツダMX-5(ロードスター) 2.0 GTスポーツ・テック(英国仕様)
マツダMX-5(ロードスター) 2.0 GTスポーツ・テック(英国仕様)

よりタイトなサスペンション・スプリングとアンチロールバーなども、英国のマツダは用意してくれている。とはいえ、しなやかなボディの動きは、オールドスクールな運転の楽しさを引き立ててくれてもいる。

MX-5の価格帯で、これほど気持ちの良いステアリングと、操ることすら楽しいマニュアル・ギア、タイトコーナーの出口で軽くテールスライドを誘えるシャシーを備えたモデルは、他に例がない。まさにクルマと一体になれる。

低いドライビングポジションと、その先に伸びる優雅なボンネットのラインは、乗るたびに気持ちをアゲてくれる。オープンエアのドライブがお好みなら、僅か10秒で開閉できるシンプルな手動ソフトトップにも強く惹かれるはず。レス・イズ・モアの好例だ。

快適性を重視するなら、金属製のフォールディング・ハードトップ仕様、RFも選べる。約2000ポンド(約32万円)の追加費用が必要だが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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