かわいいバスが純EVで復活 フォルクスワーゲンID. Buzz(バズ) ニューヨークで一般公開

公開 : 2022.04.14 11:00  更新 : 2022.08.08 07:13

フォルクスワーゲンのバスが純EVになって帰ってきます。発売に先駆け、ニューヨークで一般公開されました。

英国では2022年中に販売スタート

フォルクスワーゲンID.Buzz(バズ)の量産仕様が、ニューヨーク・モーターショーで一般公開された。2017年のデトロイト・モーターショーでコンセプトカーが発表されてから、5年後となる。

生産はドイツ・ハノーバー。現行のマルチバン/カラベルと同じフォルクスワーゲンの工場だという。同社が展開する純EVのサブブランド、ID.モデルの最新版となり、英国では2022年中に販売がスタートする予定だ。

フォルクスワーゲンID.バズ(欧州仕様)
フォルクスワーゲンID.バズ(欧州仕様)

乗用車仕様がID. バズ、商用車仕様はID.バズ・カーゴを名乗る。どちらも当初は、駆動用モーターが1基の後輪駆動のみの設定となる。

英国価格は不明だが、商用車のID.バズ・カーゴで約4万ポンド(約640万円)からが見込まれている。乗用車仕様では、5万ポンド(約800万円)前後になる。トリムグレードは、ピュア、プロ、パックの3段階が計画されている。

パワフルなツインモーターの四輪駆動版も、2023年に追加予定。ID.バズ・カリフォルニアを名乗るキャンピングカー仕様も、2024年に登場するというから楽しみだ。

オリジナルのタイプ2に設定されていた、23ウインドウのサンババス仕様はキャンセルされた。そのかわり、乗用車仕様には巨大なパノラミック・ガラスルーフを設定できる。

乗用車仕様では、5シーターの標準ホイールベース版のほかに、2023年には7シーターのロング・ホイールベース版も追加予定。ドアはフロントが通常の前ヒンジで、センタードアがスライド式。テールゲートは上ヒンジタイプとなる。

コンセプトカーに近い見た目 3列シートも

プラットフォームは、純EV用のMEBと呼ばれる汎用性の高いもの。スタイリングは、コンセプトカーより丸みが小さくなった。衝突安全性や空力特性を改善する目的で、フロントガラスの位置は少し後方へ移された。

それでも、全体の雰囲気はコンセプトカーに近い。オプションでIQライトと呼ばれるアダプティブタイプも選べるLEDヘッドライトや、ボディ幅いっぱいのLEDテールライトが新しい。ホイールは19インチと20インチが選べる。

フォルクスワーゲンID.バズ(欧州仕様)
フォルクスワーゲンID.バズ(欧州仕様)

背の高いワンボックス・スタイルでありながら、空気抵抗は驚くほど良い。Cd値はID. バズで0.28、商用車のID.バズ・カーゴでは0.29だという。リアモニターだけということで小回りも効き、最小回転直径は11mだ。

サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。アダプティブダンパーと、エコにコンフォート、スポーツの3モードが備わる、DCC(ダイナミックシャーシコントロール)が搭載される。

ボディサイズは、標準ホイールベースのID. バズで全長が4712mm、全幅1980mm、全高1938mm。ホイールベースは2988mmとなり、MEBプラットフォームを採用するモデルとしては最長。ID.4と比べると、217mm長い。

ロングホイールベース版のサイズは明らかになっていない。だが、3列目シートの空間を確保するため、ホイールベースは250mm延長されるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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