オーストリア出身のEVハイパーカー デウス・ヴァイアン 2025年発売予定

公開 : 2022.04.18 18:05

最高出力2200psを誇るEVハイパーカー「ヴァイアン」が、99台限定で2025年に発売される予定です。

新型EVハイパーカー 2025年発売

オーストラリアの新興自動車メーカーであるデウスは、ニューヨーク・モーターショー2022で新型EVハイパーカー「ヴァイアン(Vayanne)」を発表した。同社によると、2025年に発売される予定であるという。

デウスの本拠地であるウィーンにちなんで名付けられたヴァイアンは、イタリアのデザイン企業であるイタルデザインと、英国のエンジニアリング企業、ウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング(WAE)との共同開発によるもの。

デウス・ヴァイアン
デウス・ヴァイアン    デウス

AUTOCARの取材に対し、デウスのデザイン責任者であるエイドリアン・フィリップ・ブトゥカ氏は、次のように語っている。

「この共同開発により、安全で信頼性が高く、実現可能な製品を市場に送り出すことができます。それがわたし達の最優先事項です。また、個人的にも、彼らは一緒に働いていて素晴らしい人たちだと感じています」

ヴァイアンは、2025年にイタルデザインのトリノ工場で生産が開始される予定だ。

最高出力2200ps 航続距離約480km

コンピューター上では、最高出力2200psと最大トルク203.5kg-mが想定されている。この数字が実現すれば、最高出力1904psのピニンファリーナ・バッティスタや、1941psのリマック・ネヴェーラを凌駕。まだプロトタイプながら、ロータスエヴァイヤの1950psよりもパワフルなことになる。

デウスによれば、最高速度は399km/h、0-100km/h加速は1.99秒に達するという。

デウス・ヴァイアン
デウス・ヴァイアン    デウス

運転席の座面は地上からわずか120mmという低さを持つが、快適でラグジュアリーな乗り心地や、ハイパーカー・クラスとしては秀でた日常的な使いやすさが特長だとしている。

ヴァイアンは、2021年にイタルデザインとWAEが提唱した、「ターンキー」パッケージをベースにすると考えられる。ターンキーとは、すぐに稼働可能な状態の製品のことで、ここでは駆動用バッテリーやモーター、シャシーなどEV用の部品がパッケージ化されたものを指す。

ヴァイアンの後部座席の後ろに積まれた85kWhのバッテリーには、2万1700個の円筒形リチウムイオンセルが使用されているという。350kWの充電に対応し、20分程度で満充電でき、約480kmの航続距離を実現するとされている。

価格は3億円超 99台限定モデル

デザインテーマは「シンメトリーとインフィニティ(対象と無限)」。フロントとリアのグリル部分の造形は共通しており、テールライトは無限ループ(メビウスの輪)を表現している。

今回のニューヨーク・モーターショーで公開された車両は、黒と白を基調としたインテリアを採用。フルデジタルのインストゥルメントクラスターとコントロールディスプレイを備えている。

デウス・ヴァイアン
デウス・ヴァイアン    デウス

また、「インフィニティミラー」と呼ばれる機能も搭載されている。2つのLEDストリップと2つのミラー(一方は完全に反射し、もう一方は部分的に反射する)によって構成されるもので、デウスは車内からの視界を大幅に向上させる自動車業界初の試みであるとしている。

価格情報は未確定だが、ブトゥカ氏は250万ドル(約3億1600万円)程度になるだろうと示唆している。生産台数はわずか99台で、各車両には顧客指定の塗装とインテリアトリムが施され、コレクターズアイテムとしての価値を高めるとのこと。

ブトゥカ氏によると、将来的にデウスから別のモデルも登場する可能性があるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グラハム・ヒープス

    Graham Heeps

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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