ソーセージに洗濯機、ミサイルも? 自動車メーカーが作ったクルマ以外のモノ 32選

公開 : 2022.04.24 06:05

自動車メーカーは、クルマばかり作っているわけではありません。今回は、彼らの「副業」を紹介します。

クルマ作りは事業の1つに過ぎない

自動車メーカーにとって、自動車産業以外の分野に手を出すことは、メリットが多い。

自動車製造から得られる利益をより有益な分野に投資するためでもあるし、不況で新車市場が低迷したときに生き残るための手段でもある。今回は、自動車メーカーが参入した意外な分野を見ていこう。

ホンダが製造したホンダジェット
ホンダが製造したホンダジェット

BMW:ボブスレー

2012年、BMWの北米部門は、米国オリンピックチームのために1年以上かけてボブスレーを設計した。複合材料に関する専門知識を活用し、カーボンファイバー製の軽量な2人乗りソリを開発。さらにエアロダイナミクスの経験を生かし、全く新しいデザインを考案した。

この究極のソリを使用した米国のボブスレーチームは、2014年ソチ冬季オリンピックで3位入賞を果たす。1952年以来、初の表彰台獲得である。

BMW:ボブスレー
BMW:ボブスレー

フィアット:日刊紙

フィアットは1926年、トリノを拠点とするイタリアの新聞社「ラ・スタンパ(La Stampa)」を買収。フィアット所有のもと、ラ・スタンパは地方紙からイタリア最大の日刊紙へと成長した。

興味深いのは、1978年にリビアの元指導者ムアンマル・カダフィ氏に関する風刺記事を掲載し、同氏と対立したことである。カダフィ大佐の怒りは、ラ・スタンパではなくフィアットに向き、ラ・スタンパの編集者を解雇しなければ、フィアットの禁輸措置を取ると脅したのである。ラ・スタンパは脅しに動じず、カダフィ大佐もフィアットをブラックリストに載せることはなかった。

ラ・スタンパ(La Stampa)紙
ラ・スタンパ(La Stampa)紙

2014年、フィアットと有力者ペローネ一族は、ラ・スタンパとイル・セコロXIX社を合併して、イタリアーナ・エディトリーチェという新会社を設立。フィアットの後継会社であるフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、2017年にようやくラ・スタンパの所有権を手放した。

フォード:工業都市

ヘンリー・フォードは、自動車部品用のゴムの供給を確保するため、ブラジルに町そのものを設立した。「フォードランディア」と名付けられたこのプロジェクトは、アマゾンの熱帯雨林の奥深くにアメリカンスタイルの住宅を配置する計画的なコミュニティとして、1926年にスタート。居住区はブラジル人労働者と米国人経営者に分けられ、来客用のホテルも併設された。

しかし、ゴムの木も人間も病気にかかりやすく、計画は見事に失敗した。1934年、フォードはこの町を放棄。1945年には、南米で天然ゴムを採るより合成ゴムを作る方が簡単であることに気づき、2つ目の町も放棄している。現在、フォードランディアには約3000人が住んでいる。

フォードランディア(Fordlandia)
フォードランディア(Fordlandia)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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