経験の長さが光るハイブリッド トヨタRAV4 アドベンチャーへ試乗 2022年版の小変更
公開 : 2022.05.04 08:25
2022年モデルとして小変更を受けたRAV4。ハイブリッドの能力は優れるものの、高めの価格を英国編集部は指摘します。
もくじ
ー2022年モデルとしてアップデート
ー減衰力が不足気味のサスペンション
ー経験の長いトヨタならではのハイブリッド
ートヨタRAV4 アドベンチャー 2.5ハイブリッド AWD-i(英国仕様)のスペック
2022年モデルとしてアップデート
トヨタは、他ブランドが諦めてしまうようなモデルを、上手に作り続ける手法に長けているようだ。時代に遅れることなく、同社ならではの技術力で巧みに製品として仕上げる。
手頃な価格のFRスポーツカー、GR86しかり、ラリーカーから派生したようなホットハッチ、GRヤリスしかり。開発コストの上昇や環境規制の厳格化で、簡単には販売することができないモデルを、トヨタは今もディーラーに並べている。
先日ご紹介したアイゴXもその1つ。そのいずれもが、高い訴求力を備えている。
一方で、路面を選ばないようなクロスカントリー風モデルの人気が、急上昇して久しい。黒い樹脂製オーバーフェンダーに傷を恐れないスキッドプレートで飾り、四輪駆動を搭載したようなモデルだ。トヨタは古くからRAV4で、それを先行してきた。
トヨタがスポーツカーを残してくれていることは、とても嬉しい。同時に、SUVとハイブリッドという組み合わせのモデルも、当面は重要な存在といえる。
今回試乗したのは、ミドルサイズSUV、トヨタRAV4のハイブリッド版。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)ではない。2022年モデルとして、アップデートを受けたという。
減衰力が不足気味のサスペンション
ヘッドライトがLEDプロジェクターになり、一部のグレードで助手席にもパワーシートが組まれた。SUB-Cポートも追加された。英国仕様の場合、アドベンチャーと呼ばれるトリムグレードも登場した。ただし、話題になるほどの変化内容ではないだろう。
現行型のトヨタRAV4が登場したのは2018年。既に4年が経過しているから、マトリックスLEDヘッドライトや、新しいインフォテインメント・システムなどが欲しいところ。
アップル・カープレイとアンドロイド・オートに有線で対応しているとはいえ、新しいカローラや北米市場向けのモデルには、最新版のシステムが実装されている。RAV4にも導入すべきタイミングだったと思う。
四輪駆動となるRAV4 ハイブリッド・アドベンチャーの英国価格は、4万2750ポンド(約714万円)から。ひとつ下のダイナミック・グレードの場合、前輪駆動で3万9010ポンド(約651万円)、四輪駆動で4万1390ポンド(約691万円)となる。
アドベンチャーのルックスにこだわらなければ、手頃なグレードの方がコストパフォーマンスは高いといえる。パノラミック・サンルーフを装備するとはいえ。
運転した印象は、従来のRAV4と大きな違いは感じなかった。PHEVの場合は、乗り心地を改善させるためにサスペンションへ手が加えられたようだが。
RAV4 ハイブリッドの場合は、サスペンションがソフトで減衰力が不足気味。コーナリングが得意なわけでもなく、乗り心地で秀でているともいいにくい。高速道路を流している限り、車内へ届くノイズが小さい点は評価できる。