新型ヴィーズマン・サンダーボール テスラ以来の電動オープンスポーツ 欧州発表
公開 : 2022.04.29 06:05
ドイツの伝統的なスポーツカーメーカーが、最高出力680psのEVオープンカーとともに復活を遂げました。
復活のヴィーズマン 電動化の新時代へ
ドイツのスポーツカーメーカー、ヴィーズマン(Wiesmann)は、同社初の電動化モデルである新型「サンダーボール」を公開した。初代テスラ・ロードスター以来となる、EVの後輪駆動オープンスポーツカーである。
BMWエンジンを使用したレトロスタイルのスポーツカーで知られるヴィーズマンは、2013年に破産申請して以来、波乱の時期を経て復活の道を歩んでいる。
ヴィーズマンは、2016年に国際的なIT企業であるコンテック・グローバルに買収され、そのマネージング・ディレクターであるロヒーン・ベリーが現在、同社のCEOを務めている。
ベリーは新型車の発表にあたり、「ヴィーズマンにとって素晴らしい瞬間であり、長年にわたるデザインとエンジニアリングの夢の集大成である」と語っている。
オープントップを楽しむスポーツEV
新型サンダーボールは、リアアクスルに2基の電気モーターを搭載し、合計出力680ps、最大トルク112kg-mを発揮する。車重1700kgで、0-100km/h加速は2.9秒であるという。
このパワートレインは、同じドイツのスポーツカーメーカーであるロディング・オートモビル(Roding Automobile)との共同開発によるもの。ロディングは、軽量なカーボンファイバー構造を得意とし、BMWの直6エンジンを搭載した車重950kgのロディング・ロードスターでよく知られている。
ロディングは83kWhバッテリーも供給している。このバッテリーは、最大300kWの速度で充電できる800Vのハードウェアを備えており、航続距離は約500kmと推定される。
回生ブレーキシステムは、サンダーボール向けに特別に開発されたものだ。ヴィーズマンによると、「コーナーで強力なエンジンブレーキ効果を与える」ことができ、それによって「現在販売されているほとんどのEVに欠ける、ドライバーに目的意識を持った楽しみを与える」ことができるという。
伝統を受け継ぐスタリング
往年のヴィーズマンモデルにインスパイアされたデザインが特徴的だが、随所に新鮮なタッチが施され、新時代の幕開けを告げている。
特徴的な卵形のグリルは、V10エンジンを搭載したヴィーズマンMF5をオマージュしたもので、ヘッドライトはエアベントに統合されているものの、おなじみの縦型レイアウトとなっている。
エンジンがないにもかかわらず、クラムシェル型のボンネットは長く、オースチン・ヒーレーやジャガーXK120など、英国の歴史的スポーツカーを思わせるシルエットが採用されている。
カーボンファイバー製のダッシュボードには、大型タッチスクリーンと7つのアナログ式ダイヤル、そしてレーザーエッチングのバッジが配置され、現代性と伝統の融合を表現している。
スポーツシートやドアパネル、グローブボックスはカーボンファイバー製で、新デザインのマルチファンクション・スポーツステアリングホイールも装備されている。
サンダーボールは、ドイツ・デュルメンにあるヴィーズマンの工場で製造される。