どうなる自動車業界? 2022年4月の新車販売を分析 「原材料価格」「原油価格」「円安」に懸念の声

公開 : 2022.05.02 20:15

4月の新車販売の台数が明らかに。軽自動車は全社が2021年4月比でマイナス。展望を語る業界関係者は、今後の懸念点を指摘してくれました。

2ケタのマイナス、今月も

執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

世界的な半導体の供給不足に加えて、中国における新型コロナウイルスの感染急拡大によるパーツ調達の支障が発生し、多くのブランドで生産現場に影響が出ている日本の自動車業界。

2022年4月の国内新車販売台数は、その苦境が数値となって表れた。

ダイハツは、ロッキーが堅調で登録車の販売は前年比で微増。軽は他ブランドよりマイナス幅が少なくシェア首位に。それでも、滋賀第2工場(ロッキー/タントなど)、本社工場、大分第1・第2工場が、部品供給不足により5月9日~11日に停止する。安定稼働はまだ先か。
ダイハツは、ロッキーが堅調で登録車の販売は前年比で微増。軽は他ブランドよりマイナス幅が少なくシェア首位に。それでも、滋賀第2工場(ロッキー/タントなど)、本社工場、大分第1・第2工場が、部品供給不足により5月9日~11日に停止する。安定稼働はまだ先か。    神村聖

登録車の新車販売台数は、前年同月比15.0%減(17万8761台)と8か月連続のマイナス。

また、軽自動車の国内新車販売台数も、同13.4%減(12万859台)と11か月連続でのマイナスを記録する。

結果として、トータルでの国内新車販売台数は同14.3%減(29万9620台)と10か月連続で前年実績を下回った(自販連/全軽自協の速報値)。

マイナス幅は、2021年9月の同32.2%減をピークに縮小していたものの、2022年1月に入って同14.2%減と再拡大し、2月は同17.9%減を記録。

3月は同16.3%減とやや縮小し、今月も2%ほど改善したが、それでも1月を少し上回るマイナス幅となった。

登録車は3社がプラス 軽は?

登録車の4月のブランド別新車販売台数では、ノートなどの販売が好調な日産が前年同月比10.6%増(1万7523台)。

フォレスターなどの売り上げが伸びたスバルが同6.2%増(5736台)、ロッキーの販売が堅調なダイハツが同0.4%増(2618台)とプラスを成し遂げる。

ホンダは、「半導体不足や不安定な海外情勢などの複合的な要因により、部品入荷や物流に遅延」が生じ、ヴェゼル、Nシリーズ、シャトル、フィットは5月上旬まで生産に影響が出ると発表。即納の中古車は変わらず人気が高い。
ホンダは、「半導体不足や不安定な海外情勢などの複合的な要因により、部品入荷や物流に遅延」が生じ、ヴェゼル、Nシリーズ、シャトル、フィットは5月上旬まで生産に影響が出ると発表。即納の中古車は変わらず人気が高い。    AUTOCAR JAPAN編集部

それ以外のブランドは、パーツの供給不足による生産の一時停止が響き、トヨタは同15.9%減(9万7091台)、ホンダは同28.3%減(1万4871台)、スズキは同41.0%減(5942台)、マツダは同18.8%減(5531台)、レクサスは同30.3%減(3071台)、三菱自は同12.9%減(2089台)と低迷した。

軽自動車の4月のブランド別新車販売台数では、全社が前年実績を割り込む。

そのなかで、前年同月比7.0%の一ケタ減に抑えて4万2474台を販売したダイハツが、2か月ぶりのシェアトップに返り咲く。

前月首位のスズキは、同17.1%減(3万6141台)と苦戦して第2位に陥落した。

また、ホンダは同16.7%減(2万2554台)を記録。そして、日産は同16.1%減(1万481台)、三菱自は同6.9%減(2424台)にとどまる。

一方、OEM供給を受けるブランドは、トヨタが同27.6%減(2958台)、マツダが同6.5%減(2232台)、スバルが同1.2%減(1590台)と低調に推移した。

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