「レクサスLX」新型 本格オフローダーで、いかに差別化できるか? オフロード編

公開 : 2022.05.04 20:35  更新 : 2022.05.05 05:40

新型レクサスLXの試乗記です。前編は、オフロードで検証。「体験に価値を置く」レクサスの最高峰は、どんなレクサスらしさを味わえるのでしょうか?

新型LX 従来型との違い

新型LXは新しい「レクサス」の第二弾として登場。ちなみに幕開けモデルはNXである。

フルモデルチェンジのスケジュールの問題とも言えるが、新生レクサスの示す方向性にSUVが見合っていると捉えても的外れではなさそうだ。

レクサスLX600エグゼクティブ(テレインカーキマイカメタリック/4人乗り/22インチ)
レクサスLX600エグゼクティブ(テレインカーキマイカメタリック/4人乗り/22インチ)    宮澤佳久

「NX」はFFベースのモノコックシャシー&独懸で、走りのキャラはオンロード寄り。同じSUVでも、FRベースの4WDにフレーム式シャシーとリアリジッドアクスルサスの本格オフローダー設計の「LX」とは方向性が違っている。

ただ、どちらもSUVによる“行動半径の拡大”を求めたモデルなのは共通。LXは拡大半径が大きく、というかSUVでも最大級。

本格オフローダでしか得られない踏破経験や見られない景観等々の「体験」に価値を置いたレクサスの頂点モデルと捉えられる。

先代同様に基本設計をランドクルーザーと共用するが、他のレクサス車同様に車体剛性・遮音防振のための設計変更が加えられ、現行ランドクルーザーには採用されなかった車高調節機構の「AHC(アクティブ・ハイト・コントロール)」も採用している。

先代では搭載エンジンもランドクルーザーよりランクアップさせていたが、3.5Lの新世代型V6ツインターボと新型10速ATの導入により同一スペックとなった。

なお、ディーゼル車はなく、ガソリン車のみの設定で、「オフロード」に採用されるデフロック機構以外の走行機能装備は全車共通仕様となっている。

オフロード支援機能をテスト

走行性能に求められる基本は安心や信頼。先進安全&運転支援機能はその最たるもの。

それをオフロード性能まで拡大したのがLXの特徴の1つ。それを体験すべく富士スピードウェイ内のオフロードコースへ赴いた。

上下2段となるデュゼルディスプレイをLXとして初搭載。写真はオフロード走行時の状態で、上がマルチテレインモニター、下が走行系の画面となりクロールコントロールの設定を確認できる。
上下2段となるデュゼルディスプレイをLXとして初搭載。写真はオフロード走行時の状態で、上がマルチテレインモニター、下が走行系の画面となりクロールコントロールの設定を確認できる。    宮澤佳久

いずれは常設となるようだが、現在は造成真っ直中。林道セクションは狭く荒れている。路側には倒木も見受けられたが、リアリティのためにそのままにしているとのこと。

SUVでも最大級の車体。路面を選るも踏破ルートの選択肢はごく僅か。直視車体周辺死角も広い。

モニターに映し出される車体周辺および下面の路面を確認しつつルートを取る。

クロールコントロールを稼働させているので、段差乗り越え等の速度変化もなく、運転視界やモニター、操舵に集中できる。

最小回転半径は6.0mであり、車幅感覚の掴みやすいボンネット形状と障害物近接センサーの手助けもありタイトターンも一発クリア。

一抱えもあるような石を積み上げられたロックセクションに入る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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