次期アルファ・ロメオ・ジュリア セダンともワゴンとも異なるEVに ラインナップ大胆予想

公開 : 2022.05.07 18:05

アルファ・ロメオ・ジュリアの後継車は、セダンとワゴンの中間的なEVになるとのこと。さらに大型SUVの情報も。

セダンとワゴンの中間 ジュリア後継に言及

アルファ・ロメオは高級志向のラインナップ改革を進めており、現在はジュリアの後継車種と、情報筋によれば新しい大型SUVの開発に焦点が移っているようだ。

アルファ・ロメオのジャン=フィリップ・インパラートCEOは、AUTOCARの取材に対し、現行のジュリアとステルヴィオは「あと何年か」販売を続ける予定だが、すでにデザイン部門にジュリアの後継車を検討するよう命じたと述べている。ステーションワゴンタイプも含めて検討するとのことだ。

次期アルファ・ロメオ・ジュリアの予想レンダリング
次期アルファ・ロメオ・ジュリアの予想レンダリング    AUTOCAR

「セダン市場をあきらめたくはありません。スポーティなセダンは、アルファのDNAです。しかし、ジュリアのステーションワゴン版も作るべきだという意見が多かったことも認めます。セダンとステーションワゴンの間には、もしかしたら臨界点があるのかもしれません。新しいジュリアなら、両方の長所を生かすことができるかもしれないのです」

インパラートCEOはこのように述べ、同社の製品計画は「安定性」に裏打ちされたものになるとした。これは、過去20年以上にわたって明らかに欠けていたものである。

「アルファにとって不可欠なのは、安定性と進路を変えないことです。今後5年間の製品計画は承認され、(親会社のステランティスから)資金援助を受けています。来年は、2028年までの製品計画を確定させる予定です。そして2030年代に向けて、品質、電動プラットフォーム、ソフトウェアの計画を立てていきます」

インパラートCEOの説明によると、アルファ・ロメオは2024年にBセグメントのSUV(名称は「ブレンネロ」とされる)を発売し、2025年に最初のEV、2026年に2台目のEV(イタリアの報道ではEセグメントの超高級SUVとなる可能性もある)、2027年に3台目のEVを発売するという。

各モデルをどこで生産するかはまだ決まっていないが、インパラートCEOは、ナポリ近郊のポミリアーノ工場とカッシーノ工場が今後も中核的な生産拠点になると述べている。

GTV復活 グループの利点活かせるか

具体的な開発内容には踏み込まなかったが、2025年のEVはテスラモデル3のライバルとして販売される可能性があると考えられている。伝説的な「GTV」の名称を使い、アルファ・ロメオが得意とするユニークなスタイリングを生かし、アウディA5スポーツバックのような4ドア・クーペになるとみられる。

情報筋によれば、ステランティスで共有するモジュール式のEVプラットフォームに古典的なイタリアンデザインを採用することで、控えめなテスラに対して独自の存在感を際立たせるという。

次期アルファ・ロメオGTVの予想レンダリング
次期アルファ・ロメオGTVの予想レンダリング    AUTOCAR

また、GTVはプラグインハイブリッド車として販売される可能性もあるとのこと。インパラートCEOは、最新鋭のステランティス製プラットフォームの恩恵を受ける最初のモデルになるだろうと述べた。

ステランティスが「STLA」と呼ぶこのプラットフォーム群は、4つのサイズがあり、5G通信、人工知能、高度運転支援システムなど、新しい電気アーキテクチャを搭載する予定だ。その技術はクライスラーの「エアフロー・コンセプト」で紹介されている。

プラットフォームはステランティス傘下の他ブランドと共有だが、サスペンションやシャシーに関しては、ある程度の独自性を持つ可能性があるようだ。アルファ・ロメオの製品責任者であるダニエル・グッツァファメは以前、「ジョルジオ・プラットフォーム(ジュリアとステルヴィオの構造)の良いところを残したい。今、研究しているところです」と語っている。

ジョルジオ・プラットフォームのステアリングとサスペンションは、新しいSTLAプラットフォームに適応させることができると考えられる。

注目すべきは、マセラティがアルファ・ロメオ以外のブランドとして初めてジョルジオ・プラットフォームの改良版を使用し、新型SUVグレカーレを開発したことである。グレカーレは2023年にEVとして発売される予定だが、両社ともこのプラットフォームがどの程度電動パワートレインに対応できるのかについては何も言及していない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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