Aクラス廃止の危機? メルセデス・ベンツ、小型車販売に見切り 近く詳細発表

公開 : 2022.05.10 18:05

メルセデス・ベンツは、収益性の観点から小型車のAクラスを現行モデルを最後に廃止する可能性があります。

高収益モデルに注力 詳細は来週発表見込み

メルセデス・ベンツのオーラ・ケレニウスCEOは、Aクラスのような小型車から撤退する可能性を示唆した。

フィナンシャル・タイムズ主催の講演に登壇したケレニウスCEOは、今後の製品計画について、来週の資本投資家向けのイベントで説明することを明らかにした。特定のモデルについての具体的な言及はなかったが、彼は次のように述べている。

メルセデス・ベンツA 250e
メルセデス・ベンツA 250e

「来週にはもっと詳しく話しますが、量販店のライバルになることがわたし達の目標ではありません。それは、メルセデス・ベンツというブランドが掲げるべきものとは異なります。ですから、当社の製品ポートフォリオに関しては、引き続きご期待いただきたい。わたし達は下を向くより上を向きたいのです」

メルセデスの小型車は、ここ数年、より収益性の高いモデルへの半導体供給を優先しているため、販売台数に制約がある。こうした動きが、経営方針にも影響を与えたという。

「供給制限が始まる前から、わたし達は量ではなく、顧客と会社にとって価値あるものを追う戦略をとってきました」

「わたし達はすでに、収益の質と価格決定力をはかるために、チャネルマネジメントにおいて行動を起こし始めていました。その点では、供給制限は望まぬ実験のようなものでした」

「そして、このような時期でも収益性が非常に堅牢であったことがおわかりいただけるでしょう」

メルセデスは2021年に約140億ユーロ(約1兆9000億円)の利益を計上したが、原材料の高騰が収益性を脅かす可能性があるとの懸念を示していた。そうした懸念は、ウクライナ戦争でさらに悪化している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジム・ホルダー

    Jim Holder

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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