新型ルノー・セニック 電動SUVとして2024年復活決定 大胆コンセプト公開
公開 : 2022.05.20 06:25
今年生産を終了したルノーのミニバン「セニック」が、2024年にEVとして発売されるとのこと。そのコンセプトが公開されています。
新型セニック、2024年発売へ
ルノーは、2024年に新型電動SUVとして「セニック」を発売する予定だ。今回、水素と電気のパワートレインを搭載したコンセプトカーが公開されている。
セニックの名は、1991年から2022年まで製造されたミニバンに使用されてきた。EVとして生まれ変わる新型セニックは、メガーヌEテック・エレクトリックの上に位置するSUVとなる。
従来のバッテリー駆動パワートレインを搭載して発売されるが、今回のセニック・ビジョン・コンセプトの水素・電気パワートレインは、ルノーの「より広いビジョン」を反映したものだ。同社は、水素は2030年以降に小型商用車での使用がより一般的になると見込んでいる。
ミニバンからSUVへ
セニック・ビジョン・コンセプトの車体寸法は、全長4490mm、全幅1900mm、全高1590mmと、メガーヌEテック・エレクトリックより一回り大きい。歴代セニックとは異なり、ミニバンではなくSUVの形態をとっている。
ルノーは、このコンセプトを「サステナブルでモダンなデザイン」とし、「環境」「安全」「包括」の3点を中心としたサステナビリティの取り組みを紹介している。
ラップアラウンド型ライトバーとスリムなLEDヘッドライトは、メガーヌEテック・エレクトリックとも似ているが、全体的に角張ったキャラクターとなっている。フロントグリルの代わりに、ルノーのダイヤモンドエンブレムをモチーフにしたフラッシュパネルが採用されているが、これが市販化されるかどうかは不明だ。
リアドアは電動かつタッチセンサー式で、Bピラーもないため、乗降性が高いとされている。しかし、これらが市販モデルに採用されることはないだろう。
ルノーのデザイン責任者であるジル・ヴィダルは、2024年の発売に向けてエクステリアデザインは進化するが、90%の準備が整っていると述べた。
水素と電気のハイブリッドシステム
セニック・ビジョン・コンセプトのパワートレインは、メガーヌEテック・エレクトリックと同じ電気モーター(218ps)に小型バッテリー(40kWh)の組み合わせだが、走行中の充電用に15kWの水素燃料電池を床下搭載しているのが革新的な点である。
ルノーは、2030年には水素補給ネットワークが整備され、一度の充填で800km走行が可能になり、補給も5分間で完了すると予測している。
ルノー・グループは、水素電気自動車向けの新しいプラットフォームを開発している。現在はプロトタイプの段階にあるが、バッテリー、モーター、燃料電池、水素タンクを搭載できるように設計されている。
ジル・ヴィダルは、セニック・ビジョン・コンセプトの開発にあたり、EV向けのCMF-Bプラットフォームの使用も検討されたが、最終的にはパッケージングの最適化のために実験用プラットフォームが採用されたと説明している。
ただし、2024年発売の市販モデルには、メガーヌEテック・エレクトリックと同じCMF-EVプラットフォームが採用される予定だ。水素電気自動車用プラットフォームが市販車に導入されるのは2030年以降になりそうだという。