BMW M4に「CSL」 100kg軽量化 約20年ぶりのサーキット特化モデル登場

公開 : 2022.05.20 18:25

BMWは、2ドア・クーペのM4にサーキット特化仕様の「CSL」を設定。最高出力550psを誇ります。

軽量スポーツクーペ「CSL」の復活

BMWは、E9型3.0 CSLの発売50年を記念し、新型M4 CSLを発表した。「CSL」の名が使われるのは約20年ぶりとなる。

価格は12万8820ポンド(約2050万円)からで、限定1000台のみが生産される。ドイツの名サーキット、ニュルブルクリンクのラップタイムは7分15秒677で、BMWの市販車としては最速とされている。

BMW M4 CSL
BMW M4 CSL    BMW

パワートレインはおなじみのツインターボ直6エンジン「B58」を搭載。最高出力550ps/6250rpm、最大トルク66.2kg0m/2750rpmを発揮し、0-100km/h加速3.7秒、0-200km/h加速で10.7秒と、従来よりタイムがわずかに短縮される。

標準のM4と同様、8速Mステップトロニック・トランスミッションを採用し、後輪のみを駆動する。

リアシートの廃止などにより、M4から約100kg軽量化され、車重は1625kgとなった。先代M4 GTSと比較してわずか40kgの増加にとどまる。

具体的な軽量化措置としては、セラミックブレーキ、アルミホイール、スプリング、ストラットなどの改良により約21kgの減量を実現。また、ボンネットはカーボンファイバー強化プラスチック製に変更されている。インテリアでは、カーボンファイバー製バケットシートの採用で24kg、リアシートとシートベルトを取り外すことでさらに21kgの軽量化を達成した。

これらの調整により、車重1トンあたり339psという、ポルシェ911 GT3をわずかに下回るパワーウェイトレシオを達成している。

サーキット走行に特化したチューニング

M4 CSLは、アダプティブ・サスペンションを標準装備し、車高を8mm下げることでエアロダイナミクスを向上。フロントには19インチ、リアには20インチのホイールが装着される。

さらに、鋳造アルミニウム製のフロントストラットブレース、個別にチューニングされたアクスルキネマティクス、ダンパー、補助スプリング、アンチロールバー、カスタムチューニングされたホイールキャンバーを備えている。さまざまな路面環境やタイヤ温度に対応する10段階のトラクションコントロールでグリップレベルを調整可能だ。

BMW M4 CSL
BMW M4 CSL    BMW

デザインとしては、専用キドニーグリル、アグレッシブなエアカーテンとフロントスプリッターなど、フロントエンドの印象を大きく変えた。また、ダウンフォースを高める専用のリアウイングも装備されている。

バケットシートはワークショップでのみ調整可能で、バックレストの角度は固定されている。各シートには6点式ハーネスを装着でき、リアにはレーシング・ヘルメット2個を収納できる専用のスペースが用意されている。

M4 CSLはサーキット走行に特化しているが、車載システムは標準のM4とほぼ同じだ。パーソナル・アシスタント、スマートフォン接続、ワイヤレス充電、M専用オプションのヘッドアップ・ディスプレイがすべて標準装備され、先進の運転支援システムも多数搭載されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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