メルセデス・ベンツ EV版Cクラス、2024年登場か クーペのような先進的スタイルに
公開 : 2022.05.24 06:05
メルセデスの主力モデル、CクラスにEVが導入される可能性が高まっています。その姿や登場時期を大胆予想。
メルセデス待望の主力EVセダン
メルセデス・ベンツは、これまでにない航続距離と性能を備えたEV用プラットフォームを新たに導入することで、今後数年間でEVラインナップを急速に拡充していく。
小型SUVのEQAからフラッグシップセダンのEQSまで、すでにさまざまなモデルが発表されているが、今年末には中型のEQE SUV、さらに2024年までにGクラスのEVを発売する予定だ。
2025年までにすべてのモデルにEVを導入するという計画は、主要自動車メーカーの中でも非常に挑戦的な電動化戦略だ。2024年以降はEV専用プラットフォームのみを開発する方針で、同年には小型・中型EV向けの全く新しい「メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー(MMA)」プラットフォームが導入される。
このMMAは、4つのEVプラットフォームの1つだ。昨年発売された現行Cクラスには、このプラットフォームを使用したEVモデル(またはCクラスに相当するEV)の導入が予定されている。BMW i4やテスラ・モデル3などに対抗する電動セダンとなる見込みだ。
昨年、メルセデスの最高執行責任者マルクス・シェーファーはAUTOCARの取材に対し、MMAプラットフォームは主に小型車に使用される予定だが「中型セグメントにも手を広げる可能性がある」と語っていることから、中型高級車セグメントにEVを投入する可能性が高い。
超高効率な最新技術の導入
現行Cクラスは、EVに相当するものがない数少ないモデルの1つだが、PHEVのメルセデス・ベンツC 300eは、電気のみでの航続距離が同クラス最長の109kmを誇る。また、最近登場したEQEセダンは、CクラスとEQSの間を埋めるモデルとなっている。
メルセデスが現在販売するEVは、いずれも比較的長い航続距離を特徴としているが、次世代モデルはこれをさらに進化させていくだろう。コンセプトカーのビジョンEQXXには、超高効率モーター、高密度バッテリー、軽量構造、空気抵抗の少ない滑らかなボディ形状など、将来実用化されるであろう革新的な技術がぎっしりと詰め込まれている。
ビジョンEQXXがそのまま市販車に進化するわけではないことは、すでにメルセデスのトップも認めているが、その構想、デザイン、能力において将来のEVラインナップを予見する役割を持つ。そしてビジョンEQXXの立ち位置(セグメント)は、他のどのモデルよりもCクラスに近い。もっとも、デザインは生産性を考慮した現実的なものとなるだろうが、コンセプトの核となる空力特性やエネルギー効率は忠実に再現されるはずだ。
ビジョンEQXXが開発された主な目的は、このコンセプトに従って設計されたEVが1回の充電でどこまで走行できるかを示すことであった。メルセデスが実際の道路で、かつ通常の速度域でテストしたところ、実走行距離は1000kmを超えた(テスト終了時もあと140kmほど走れるだけの電力が残っていたという)。潜在能力の高さについては、触れるまでもないだろう。