「軽」より小さい超小型EV 太陽光で走る2人乗り四輪車、欧州価格は約85万円 オランダの新興企業が開発 

公開 : 2022.05.31 06:25

ソーラーパネルを搭載した小型EV、その名もソーラー・シティ・カーが発表されました。航続距離は最大100km。

16歳から運転できる小型四輪車

オランダの新興企業スクワッド・モビリティ(Squad Mobility)は、太陽光で充電できる小型EV、ソーラー・シティ・カーを新たに発表した。ソーラーパネルを搭載しており、現在欧州で予約受付が始まっている。

スクワッド・モビリティは、2019年にロバート・ヘーバースとクリス・クロックが設立した会社。2人は以前、長距離ソーラーカーを開発するライトイヤー社で働いていたが、今回のソーラー・シティ・カーは都市内の短距離移動に適しているという。

ソーラー・シティ・カー
ソーラー・シティ・カー    スクワッド・モビリティ

ソーラー・シティ・カーは来年発売予定で、欧州向けの価格は6250ユーロ(約85万円)からとなっている。全長は約2m、全幅1m、全高1.6mで、後輪を駆動する2kWの電気モーターで最高速度45km/hと、街中での走行に焦点を当てた設計となっている。

シトロエン・アミと同様、欧州ではL6e(軽四輪車)というカテゴリーに分類され、一部の国では16歳から運転が可能だ。上位のL7カテゴリーに分類される、最高速度70km/hのパワフルなバージョンも予定されている。

太陽光で1日20km分を充電

ソーラー・シティ・カーは、1.6kWhのバッテリーを最大4個搭載可能(最大容量は6.4kWh)で、航続距離は約100km。スクワッド・モビリティは、ルーフに設置した太陽電池により、晴れた日には1日20km分の電力を賄えるとしている。同社によると、平均的な軽四輪車ユーザーは、1日に約11kmを走行するという。

また、ソーラー・シティ・カーは太陽光に頼らずに走行することができる。220Vのコンセントで充電できるほか、バッテリーパックは取り外し可能なので、電源のある場所に持っていくことができる。

ソーラー・シティ・カー
ソーラー・シティ・カー    スクワッド・モビリティ

その他、ロールケージ、シートベルト、ボディ前後のフルクラッシュ構造、取り外しなドアなどが特徴的だ。インテリアはベーシックだが、スマートフォンホルダー、USB充電器、エアコン(オプション)を備えている。2人乗りで、168Lの収納スペースを確保しているが、助手席を畳めば243Lにまで拡張できる。

ソーラー・シティ・カーは、個人利用だけでなくカーシェアリングにも使えるように設計されている。サービス運営者向けに、複数のバッテリーパックを同時に充電できる「パワーウォール」も販売されている。

また、一般的な販売だけでなく、サブスクリプションやリースも計画中で、リースは月額約1万3500円からとなっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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