2座のGRカローラ 社長の愛称を冠した「モリゾウエディション」登場 GRで何が起きている?

公開 : 2022.06.01 22:15

GRカローラの日本仕様が発表! さらに2シーター版の限定車「モリゾウエディション」も発売へ。実車の写真とともにレポートします。

日本仕様は「RZ」 発売日は?

4月に公開されたトヨタ・ガズー・レーシングの新型車「GRカローラ」。その日本仕様のグレードである「GRカローラRZ」が発表された。

さらに、豊田章男社長が試作車のハンドルを握り、ともに作り込んだという限定車「GRカローラ・モリゾウエディション」の存在が今回明らかになった。

GRカローラ・モリゾウエディション(プロトタイプ/限定色:マットスティール)
GRカローラ・モリゾウエディション(プロトタイプ/限定色:マットスティール)    宮澤佳久

後者は、走りに振った2シーター仕様で、パワースペックも異なる注目モデルだ。

「GRカローラRZ」は2022年秋ごろからトヨタ店で販売を始める。

「モリゾウエディション」は本年の冬ごろから、GRガレージにおいて限定車として発売される予定だ。予約の抽選は秋から受付ける見込みで、限定台数・抽選方法は製品サイトに今後告知される。

トヨタの元町工場にあるGRファクトリーで生産されるこれらのモデル。とりわけ精度の高い組付けには最新の技術が活かされているようだ。

例えばサスペンションのパーツ類。

アライメントのことを考えれば、組付け精度が高ければ高いほど良いのだが、量産過程で若干の「ばらつき」は生じてしまうもの。

一方で開発の評価は中央値で進めるため、できれば中央値の製品でユーザーに届けたいところだ。

GRファクトリーでは、それぞれの部品の寸法を測り、どういう「ばらつき」が発生しているか把握し、その全てをデータベースに落とし込んでいるという。

まるでレース部門 GRのクルマづくり

「このばらつきの部品と、このばらつきの部品を組むとキャンセル効果があるから中央値と変わらなくなるという具合に、組み合わせで最適化を図ることをAIを使ってやっている(チーフエンジニア坂本尚之氏)」

エンジンを作る下山工場も同様で、GRヤリスのときから、レーシングエンジンを組付ける精度で生産を続けているそうだ。

GRカローラ・モリゾウエディション(プロトタイプ/内装色:ブラック)。後席を取り払い30kg軽量化。乗車定員は2名となる。
GRカローラ・モリゾウエディション(プロトタイプ/内装色:ブラック)。後席を取り払い30kg軽量化。乗車定員は2名となる。    宮澤佳久

「ピストンの質量を測り、同じ質量のピストンとともに組み入れることでエンジンのレスポンスを向上させている。また、加工の公差は半分を狙っていくなどのアレンジに取り組んでいる」

チューニングショップやレーシングファクトリーで行われるようなバランス取りを経て組付けられたこれらのエンジンには、匠プレートが付いてくる(エンジンの右前輪側)。

トヨタによれば、GRカローラ・モリゾウエディションは、豊田章男社長が「お客様を魅了する野性味」を追求したグレードと説明されている。

その変更点は、軽量化、エンジンのトルクアップ、トランスミッションのギア比最適化、モノチューブアブソーバーと高性能タイヤの採用など多岐にわたる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事