気高いSUVをお手頃価格で ランドローバー・レンジローバー(L322) 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.06.15 08:25
今なら驚くほど手頃な価格で中古車を探せる、3代目のレンジローバー。その魅力を、英国編集部がご紹介します。
もくじ
ーBMWやジャガー、フォード由来のエンジン
ーレンジローバーならどこへでも目指せる
ー新車時代のAUTOCARの評価は
ー購入時に気をつけたいポイント
ー知っておくべきこと
ーオーナーの意見を聞いてみる
ー英国ではいくら払うべき?
BMWやジャガー、フォード由来のエンジン
レンジローバーという言葉の響きには、気高いものがある。裕福なビジネスマンや、映画スターなどが乗っているイメージを抱くはず。しかし、中古車となれば話は別。3代目となるL322型なら、驚くほど手頃な価格で探すことができる。日本でも。
3代目レンジローバーは、BMWが所有するランドローバーによって開発された。英国での発売は2001年。その頃にはフォード傘下へ変わっていたが、286psの4.4L V8ガソリンと176psの3.0L直6ディーゼル・エンジンはBMW由来のものだった。
その後、BMWのV8エンジンはジャガーのV8エンジンへ変更。自然吸気の4.4Lのほかに、XK8と同じ4.2Lスーパーチャージャーも選べるようになっている。
この4.2L V8は非常にパワフルで、2.5tもあるレンジローバーを静止状態から100km/hまで7.2秒で加速させた。今となっては、やや平凡な数字に聞こえるとしても。
現代モデルに負けない動力性能を求めるなら、2009年に導入された5.0Lスーパーチャージャーが良いだろう。510psという怪力で、0-100km/h加速6.0秒、最高速度225km/hを実現している。フル加速時のノイズも迫力満点だ。
エンジンの選択肢は多く、375psの自然吸気5.0L V8ガソリンのほか、フォード由来のV8ディーゼルも英国では選択できた。3.6Lが271psで、4.4Lが313psを発揮した。
日本へは未導入ながら、走行性能と燃費性能を考えるとディーゼルエンジンが理想的。とはいえ、トヨタ・プリウスのような好燃費は期待できないけれど。
レンジローバーならどこへでも目指せる
L322型の魅力は数多い。ロンドンの街なかでもまだ姿を見かけるし、郊外のオフロードでもしばしば走っている。その理由は、広々とした車内で利便性に優れるのと同時に、運転が楽しいから。2列目シートも居心地は良い。
インテリアにはふんだんにレザーが用いられ、乗り心地は驚くほどしなやかで、市街地を走ればラグジュアリー・サルーンのよう。ボディサイズは小さくないものの、直立気味の面構成のおかげで想像以上に取り回しもしやすい。
高いドライビングポジションに構え、しずしずと走る風格に浸れば、気分は英国王室。過剰なパワーは振り乱さない方が良いだろう。
舗装路を一歩外れても大丈夫。信じられないほど高性能な四輪駆動システムが、オフロードを難なく突破してくれる。ランドローバーならどこへでも目指せる、という言葉に偽りがないと、レンジローバーでも実感できる。
最新の5代目が発表となったが、価格は驚くほど上昇した。だが、3代目なら英国では2000ポンド(33万円)代から探せる。状態の良いものでも、3万ポンド(489万円)を超えることは珍しい。
これほど多能で贅沢な英国代表のSUVとしては、考えられない低価格といえる。英国王室やジェレミー・クラークソン氏にも愛されたモデルだから、将来的にクラシックとして価値を高める可能性も充分にある。
価格上昇が始まる前に、楽しんでおくのも悪くない。ただし、ガソリン代と整備費用は充分に確保されることをオススメしたい。