2000年代のスバル代表 インプレッサ WRXとWRX STI(2代目) 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.06.17 08:25

ヘッドライトのカタチが特徴的だった2代目インプレッサ。その魅力を、英国編集部が振り返ります。

2000年代のスバルを代表する2代目インプ

スバル・インプレッサ WRXは、1990年代から2000年代のスバルを代表するモデルといって過言ではない。特徴的な見た目と周囲を驚かせる動的能力を備え、初代と同様に、2代目もネオクラシックとして評価を高めつつある。

まだ一度も体験したことがなければ、価格が比較的手頃な内に楽しんでおくのも良い。こうしている間も、徐々に相場は上昇中だ。

スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)
スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)

2000年に2代目へモデルチェンジしたインプレッサは当初、丸目のヘッドライトが特徴だった。英国ではバグアイ(飛び出た目)と呼ばれていた。

ボディは、通常のサルーンとスポーツエステート(スポーツワゴン)の2タイプが選択可能。エンジンは218psを発揮する2.0L水平対向4気筒ターボで、トランスミッションは5速マニュアルが組み合されていた。

強力なWRX STIは、英国ではサルーンのみの導入。264psのターボエンジンに6速MTが組み合され、クイックなステアリングレシオと、フロントにリミテッドスリップ・デフが採用されていた。いずれも、トラクションを最大化させるため四輪駆動だ。

2003年にフェイスリフトを受け中期型に。ヘッドライトの形状が変更され、内側が丸く両端がつり上がった涙目のデザインに。英国仕様のWRXは、224psへ最高出力が引き上げられた。

2005年に再びフェイスリフトを受け、切れ長のツリ目に。英国ではホークアイと呼ばれ、日本でも鷹目という愛称を得た。シャープでアグレッシブな顔立ちは、パワフルな動力性能と良い組み合わせだと感じさせた。

年式を問わず動力性能に不足なし

英国仕様では後期型に2.5Lの水平対向4気筒エンジンが積まれ、WRXで229ps、WRX STIで280psを獲得。また中期型よりトレッドも広い。

ちなみに中期の最後には、2.0Lに後期型の駆動系やドライバーが変更可能なDCCDと呼ばれるセンターデフが組まれた、WRX STIも存在している。一部の英国人マニアは、この型が最良だと考える人もいる。

スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)
スバル・インプレッサ WRX STI(2代目/2000〜2007年/英国仕様)

とはいえ、どの年式を選んでも動力性能に不足はない。0-97km/h加速時間は、英国仕様では中期型のWRXで5.6秒、後期型のWRX STIで5.2秒がうたわれていた。初期型でも、多くのホットハッチを凌駕する能力を秘めている。

登場が20年以上前のターボ車だけに、ターボラグは大きい。低い回転域ではエンジンは寝ぼけている。ターボチャージャーが過給圧を高めて初めて、フラット4の鼓動を腹部で感じながら、たくましい走りを楽しめる。

グリップ力は凄まじい。雨でも雪でも、四輪駆動のラリー・モンスターのDNAを受け継いだモデルとして、動力性能をいかんなく発揮できる。限界領域ではアンダーステア傾向だが、DCCD装備車の場合は、テールスライドさせながらのターンインも可能だ。

日本と同様に、英国市場ではインプレッサの価格は高騰気味で、状態が良ければ3万ポンド(約489万円)に達する例も。日本からの並行輸入も少なくなく、かなり改造された例も多い。

インプレッサ WRXとWRX STIは、近年のモデルでは得難い個性を備えている。三菱ランサー・エボリューションとともに、今後もクルマ好きから羨望の眼差しを集めるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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