204psへパワーアップ フォルクスワーゲン・ポロ GTIへ試乗 バランス良く要件を満たす

公開 : 2022.06.27 08:25

EA888型エンジンを積んだ、ひと回り小さなホットハッチ、ポロ GTIがフェイスリフト。英国編集部が一般道で評価しました。

控えな親しみやすさこそ特長

コンパクトなボディに、206psを発揮する2.0L 4気筒ターボエンジンを搭載したホットハッチフォルクスワーゲン・ポロ GTI。フォードフィエスタ STやミニ・クーパー Sと並ぶ、パワー溢れる熱々のモデルだ。

ただし、走りのエキサイティングさでいえばライバル勢の方が上。フェイスリフトを受け、メカニズムにも手が加えられたが、やはりその立ち位置は変わらない。といっても、それで構わない。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)

硬い乗り心地も、神経質なエンジンも、ちょっと派手な見た目も、ポロ GTIには備わらない。その控えな親しみやすさこそ、特長であり魅力といえる。英国の場合は、ホットハッチとして期待したいMTを選べないが。

今回のフェイスリフトでは、EA888型2.0Lエンジンの最高出力が199psから206psへ引き上げられている。デュアルクラッチAT(DSG)もギアが1段増え、7速となった。

6速MT版も存在はするものの、英国へは導入されていない。実際のところ、MTの売れ行きは他国でも良くはないらしい。

スタイリングでは、前後のライトがリフレッシュされている。マトリックスLEDヘッドライトが標準装備で、デイライトと赤いストライプが入り、デザインは従来より凝っている。テールライトも新しくなり、ウインカーはシーケンシャルになった。

清々しく加速させる2.0Lターボエンジン

インテリアもアップデートされているが、こちらは賛否両論ありそうだ。従来までダッシュボードやステアリングホイールに備わっていた、エアコンやオーディオ用の実際に押せるハードボタンは、タッチセンサーへ置き換えられている。

エアコンの方はさほど不満は感じなかったが、ステアリングホイールのスポークには注意が必要。回していると、うっかりクルーズコントロールの速度調整に触れてしまうこともあった。

フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ポロ GTI(英国仕様)

ダッシュボードの中央には、8.0インチのタッチモニターが標準で装備される。メーターパネルはモニター式になった。シフトセレクターも新しくなったが、質感はちょっと安っぽいかもしれない。シートは定番のチェック柄だ。

さて、ポロ GTIを実際に発進させてみる。従来通り、Bセグメントに属するホットハッチの中で、1番活発なモデルとまではいえないだろう。それでも、運転が楽しいか楽しくないかとは別問題。間違いなく楽しい。

僅かにパワーアップした2.0Lターボエンジンは、額面以上と思えるほどパワフル。32.5kg-mもある最大トルクで、小さなポロを清々しく加速させる。高回転域では若干息苦しそうなサウンドになるが、それ以外は聴覚的にも不満なく楽しめる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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