新型ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 伊ミラノで一般公開 獰猛さと落ち着きの共生
公開 : 2022.06.21 06:05
イタリアで開催された野外自動車ショーで、ランボルギーニの新型スーパーカー「ウラカン・テクニカ」が一般公開されました。
エボとSTOを組み合わせた1台
毎年6月にイタリアで開催される野外自動車ショー「ミラノ・モンツァ・オープンエア・モーターショー」において、ランボルギーニ・ウラカン・テクニカが一般公開された。このイベントは今年、6月16日から19日にわたって開催された。
ウラカン・テクニカは、シアンFKP 37にも似たスタイリングを持つ新型スーパーカーだ。従来のウラカン・エボとウラカンSTOのギャップを埋める1台で、価格は未公開だが3000万円前後と予想されている。
今年アウディからランボルギーニに復帰した最高技術責任者(CTO)のルーベン・モールは、ウラカン・テクニカを「(エボとSTOの)両モデルを組み合わせたもの」と説明する。
走行モードの幅は広く、「ストラーダ」はエボと同じ比較的ゆったりとしたクルージングモード、「コルサ」はSTOに近いアグレッシブなモードとされている。中間の「スポーツ」モードは、モール氏いわく現代のランボルギーニでは手にすることができなかったオーバーステアを堪能できるという。
テクニカは最高出力640psの自然吸気5.2L V10エンジンと7速デュアルクラッチ、電子制御リミテッドスリップデフを搭載。STOと同様、後輪のみを駆動する。
過激ながら扱いやすさも備えたセッティング
新デザインの20インチホイールには、セミスリックのブリヂストン・スポーツタイヤが装着される。ブレーキもカーボンセラミックが標準だが、STOとは異なる、快適性重視のセッティングとなっている。
排気システムは独自のもので、STOよりも中高速域のエンジンの音質が向上しているという。
また、STOと同じく後輪操舵システムを導入し、ブレーキベースのトルクベクタリングとアダプティブ・トラクション・コントロールによって安定性と機動性を高めた。ダイナミクスを管理するのは、2019年にエボに採用されたウラカンの「頭脳」、LDVI(ランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・インテグラータ)だ。
STOほどではないが、エアロダイナミクスも大幅に強化されている。全長はエボよりも61mm長くなり、空力面ではリアのダウンフォースを35%増加、ドラッグを20%低減した。さらに、車重は1379kgと、エボRWDより10kg軽い。
0-100km/h加速3.2秒 圧倒的パフォーマンス
エンジンルームの上部には、フラットな形状のカーボンファイバー製カバーが置かれている。リアウインドウも視認性を考慮したレイアウトとなった。
テールライトの下、六角形のエグゾーストパイプの両サイドには、エンジンルームの熱を排出する大きな開口部が設けられている。
0-100km/h加速は3.2秒、0-160km/h加速は9.1秒、最高速度は327km/hとされている。
全体として、ウラカン・テクニカは近年のモデルと同じように、ランボルギーニならではのデザインとパフォーマンスに加え、ドライバーの関与を高いレベルで求めている。
この点では、ポルシェ911 GT3、マクラーレン・アルトゥーラ、マセラティMC20、フェラーリ296 GTBなどライバルには事欠かない。