トヨタMR2とレクサスLFAの復活 10年以内に電動後継モデル投入 スポーツEVの未来
公開 : 2022.06.22 18:05
トヨタとレクサスは、2030年までに電動スポーツカーを投入しようとしています。MR2とLFAの復活は実現するのでしょうか。
スポーツカー復活 トヨタの挑戦
トヨタは、かつて販売していたスポーツカーの「MR2」をEVとして復活させようとしている。新型GR86の発売に続き、スポーツモデルを拡大していく構えだ。
トヨタのEV用プラットフォーム「e-TNGA」は、その柔軟性を活かし、トヨタbZ4Xやスバル・ソルテラ、レクサスRZをはじめ、あらゆるセグメントの電動モデルに使用される。
昨年末、トヨタは15台のコンセプトEV(うち4台は高級車ブランドのレクサス)を公開し、将来の電動ラインナップの多様性を示した。都市型のクロスオーバー、コンパクトセダン、フルサイズのピックアップトラック、そして現代版MR2に相当すると期待されるスポーツカーなど、EVへの「気合い」とでも言うべきものが伝わってくる発表であった。
トヨタは2030年までに30台のEVを投入する予定だが、これは主要自動車メーカーの中でも際立って挑戦的な電動化計画である。
なお、新型GR86は日本だけでなく海外でも注目を集めているが、今後施行予定の欧州の衝突安全規制にひっかかるために同市場では2年間しか生産されない。英国では、割り当てられた生産枠が90分で完売するなど人気を博したが、再導入の予定はないという。スポーツカーの需要は決して低くない。
全固体電池でミドシップの特性を再現?
トヨタはここ数か月、自動車業界が脱炭素化に向けて取るべきアプローチはバッテリー駆動だけではないという信念を声高に語ってきた。特に、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のジル・プラットCEOは、水素燃料電池パワートレインへの継続的な取り組みを強調している。
しかし、BEV(バッテリー駆動EV)向けのプラットフォームがすでに用意されていることや、世界的に充電ネットワークが整備され始めていることを考慮すると、2シーターのスポーツEVはトヨタのラインナップに適していると言える。
また、トヨタは量産可能な全固体電池の開発にも熱心に取り組んでいる。このバッテリーは、現在販売されている多くのEVに搭載される従来のリチウムイオンバッテリーよりも電力密度が高く、軽量で効率が良いため、運動性能が求められるスポーツカーに最適な技術だ。
全固体電池が次期「MR2」に採用されるかどうかはまだわからないが、コンセプトカーのデザインは非常に興味深い。ミドエンジン車であるオリジナルのMR2/MR-Sに似ており、そのまま市販されそうなほど現実的な姿なのだ。
ミドシップのEVは技術的には実現可能だ。ポルシェ718ケイマンとロータス・エリーゼの後継モデルは、それぞれバッテリーをシート背後に垂直に積み上げ、質量を集中させることでミドエンジン車のハンドリング特性を再現しようとしている。