メルセデスAMGの未来像 「ビジョンAMG」コンセプト、英国で一般公開 2025年市販化見込み

公開 : 2022.06.23 22:05

2025年の次世代EVセダンを予告する「ビジョンAMG」コンセプトが一般公開されました。メルセデスAMGが描く未来の高性能セダンの姿とは。

2025年の高性能EVセダン

メルセデスAMGの「ビジョンAMG」コンセプトが、英国で開催されている自動車イベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で一般公開された。2025年の発売を予定している高性能EVセダンを予告するものである。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、毎年6月~7月頃に英国のグッドウッド・サーキットで開催される国内最大級の自動車イベント。さまざまな自動車メーカーが参加し、新型車の展示や実走行を披露する。

メルセデスAMG「ビジョンAMG」コンセプト
メルセデスAMG「ビジョンAMG」コンセプト    メルセデスAMG

ビジョンAMGが予告しているという次世代EVは、AMGのEV専用プラットフォームである「AMG.EA」を初めて採用する見込みだ。メルセデス・ベンツEQSEQEで使用しているEVAプラットフォームよりも低く、よりスポーティな形状を実現するために、コンパクトなバッテリーを中心に設計された構造になっている。

メルセデス・ベンツのエクステリアデザインを統括するロバート・レシュニックは、次のように述べている。

「デザインとプロポーションの両面で、新しいプラットフォームの利点を最大限に生かしました。ビジョンAMGは、当社が計画している、卓越したエアロダイナミクスと大人4人が快適に過ごせる空間を備えた、低く流麗なサルーンを表現しています」

空力性能に特化した流麗なボディ

このクルマは、空力性能に特化したビジョンEQXXで確立した特徴的なラインを多用し、低く構えたフロント、大きくカーブしたルーフライン、ダックテールのリアスポイラーを備えている。

メルセデスAMGの2022年型F1マシンに似たカラースキームを採用し、ブランドの特徴であるパナメリカーナグリルは、照明付きのフレームと10本の縦ラインを持つパネルとした。

メルセデスAMG「ビジョンAMG」コンセプト
メルセデスAMG「ビジョンAMG」コンセプト    メルセデスAMG

「内燃機関の搭載を想定していないAMG.EAプラットフォームを採用したことで、ボンネットを非常に低くし、フェンダーに大きなボリュームを持たせることができました。AMG.EAプラットフォームは、デザイン面で大きな自由度を与えてくれるのです」

比較的低いカウル、大きく湾曲したフロントガラス、薄いキャビン、くびれたルーフラインなどがスポーツ性を強調している。

コンセプトカーには見られないが、メルセデス・ベンツによれば、市販モデルには4枚のフレームレスドアと、次期GTクーペと同様の大型リフトバック式テールゲートが採用されるという。

このコンセプトからどのように市販モデルにつながっていくのか、まだ詳細は明らかにされていないが、丸く赤いテールパイプのグラフィックが、テールライトデザインに反映されると考えられる。

ビジョンEQXXと同様に、高速走行時にダウンフォースを増加させるリアスポイラーなど、可動式エアロパーツも重要な役割を果たすとされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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