新型ルノー5 レトロな小型EV、プロトタイプ一般公開 低価格路線で2024年発売予定

公開 : 2022.06.24 06:05

ルノーが2024年に発売予定の小型EV「5」のプロトタイプが英国で公開されました。航続距離400kmを目指す次世代ハッチバックです。

目標価格は約300万円?

ルノーの新型EV「5」のプロトタイプが、英国で一般公開された。2024年に発売予定の小型EVハッチバックである。

このプロトタイプは、6月23日~26日に開催される自動車イベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、ルノーのブースで展示されている。

ルノー5のプロトタイプ
ルノー5のプロトタイプ

昨年のミュンヘン・モーターショーで初公開された新型ルノー5は、新開発の小型EV用プラットフォーム「CMF-BEV」を採用する予定だ。

ルノーのルカ・デ・メオCEOは、新しいプラットフォームとバッテリー技術を採用することで、現行EVのゾエ(日本未導入)よりも約33%安い価格で5を販売できると述べている。ゾエの価格が2万7505ポンド(約455万円)であることから、5の目標価格は1万8500ポンド(約300万円)程度と考えられる。

新たなバッテリー技術投入

新しいパワートレイン技術とニッケル・コバルト・マンガン系(NCM)バッテリーを採用し、2030年までに1kWhあたりのコストを約58ポンド(約9600円)にまで抑えるという。また、新型5の航続距離は約400kmになるとされている。

新型5は、1972年から1996年まで生産されていたオリジナルモデルからデザインのインスピレーションを受けている。ルノーは2025年までに、新型5を含む7台の完全EVを発売する予定だ。ルノー4の現代版である「4ever(フォーエバー)」もラインナップに加わる。

ルノー5のプロトタイプ
ルノー5のプロトタイプ

ルノーは昨年、新事業戦略「Renulution(ルノリューション)」を発表した際に、新型5のコンセプトを明らかにした。同社は、2025年までに販売台数の30%をEVにする計画で、比較的低価格の5は重要な役割を担うことになる。

フィアット在籍時代に500の復活に尽力したデ・メオCEOは、「わたしは経験から、カルト的な製品を再発明するとブランド全体に火がつくと考えています。5は、多くの人が買える価格のカルト的なクルマです。そして、これはルノーブランド全体の始まりに過ぎません」と語っている。

レトロだが未来的なデザイン

ルノー5は初めからEVとして開発されたモデルで、デザインは、カルト的な名車であるシュペールサンクやR5ターボなど、初代5のさまざまなバージョンからヒントを得ている。ヘッドライトは初代のデザインをモデルにしており、フロントマウントのEV充電ポートは、ラジエーターグリルがあった場所に配置されている。

ルノーのデザイン責任者、ジル・ヴィダルは次のように述べている。

ルノー5のプロトタイプ
ルノー5のプロトタイプ

「ルノー5プロトタイプのデザインは、当社の伝統を受け継ぐカルトモデルであるR5をベースにしています。現代性をシンプルに体現し、都市的、電気的、魅力的な、時代に合ったクルマです」

公開されたプロトタイプには、ワイドなリアフェンダーと、R5ターボを彷彿とさせるレッドストライプのカラーリングが施されており、高性能モデルの登場を予感させる。実際、スポーツカーブランドのアルピーヌは最近、メガーヌEテック・エレクトリックと同じ218psの電気モーターを使用して、5のホットハッチ版を開発中である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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