旧車でレース! 73年式スプリンタートレノのオーナーさんに、「楽しみ方」を訊いてみた

公開 : 2022.06.26 12:15  更新 : 2022.06.27 15:25

旧車のレースが注目を集めています。1973年式スプリンタートレノを手に入れ、TBCCに参戦するオーナーさんに、話を伺ってきました。

「もう一度乗りたい」を叶えた人

空前のクラシックカーブームに後押しされるかたちで、旧車のレースがかつてないほど活況だ。

袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催されている「東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズ(TBCC)」も、その1つ。TBCCは英国車やイタリア車が参加車の大半を占めるが、身近なブランドの国産旧車でレースに臨むドライバーもいる。

購入後にトムスのホイール、スパルコのバケットシート、OERの45φキャブレターを装備したという手塚義人さんの1973年式トヨタ・スプリンタートレノ。ラジエーターは特注した新品だった。前回参戦した3月の東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズのときと同じように、今回もクラブマンズ・カップにエントリー。
購入後にトムスのホイール、スパルコのバケットシート、OERの45φキャブレターを装備したという手塚義人さんの1973年式トヨタ・スプリンタートレノ。ラジエーターは特注した新品だった。前回参戦した3月の東京ベイサイド・クラシック・カップ・シリーズのときと同じように、今回もクラブマンズ・カップにエントリー。    高桑秀典

顔ぶれが豊かで、観ているほうもオモシロイ。

半年ぐらい前に1973年式トヨタ・スプリンタートレノを購入した手塚義人さん(69歳)は、2月のTBCC走行会、その翌月のTBCCクラブマンズ・カップに参戦し、去る6月12日にも同カテゴリーのレースにエントリーした。

「1973年にレーシングドライバーの風戸 裕さんがオーナーだった風戸レーシングリミテッドでアルバイトをしていました。そして、TMSC(トヨタ・モータースポーツ・クラブ)に出入りしていた縁で、舘 信秀さんがマカオグランプリでクラス優勝したカローラを譲ってもらい、それで1973年にTSレースやフレッシュマンに数戦出ました」

「そういう思い出があり、ここ最近、時間に余裕ができたことでカローラに再び乗りたい気持ちが強くなりました。カローラとボディのカタチが同じスプリンタートレノを買い、サーキットに戻ってきました」

初代スプリンタートレノが新車だった当時のことを知っている手塚さんの国産旧車ライフは、これからさらに充実したものになっていくはずだ。

いい整備といい仲間 そしてパーツの確保

「旧車の価格が高騰しているので、慌ててスプリンタートレノを購入しました」とも話してくれた手塚さんによると「以前はレーシングカートに乗っていました。10年ぐらい愉しみましたが、次第に身体がツラくなってきました」とのことで、TBCCのような愉しめるレースに移行したのだという。

K4-GPにも4~5年参戦したが、雨の日に前が見えないなど、こちらもツライな……と思うようになってしまったそうだ。

旧車でサーキットを走ると壊れるのでは?コストがたくさんかかるのでは?と思うかもしれないが、経験豊富なショップに車両の製作とサポートを頼めば、そんなことはない。各部を一度ちゃんと仕上げてもらえば、自走でサーキットまで行ってレースを楽しむことができる。走行後にしっかり整備すれば、完調を維持することが可能だ。
旧車でサーキットを走ると壊れるのでは?コストがたくさんかかるのでは?と思うかもしれないが、経験豊富なショップに車両の製作とサポートを頼めば、そんなことはない。各部を一度ちゃんと仕上げてもらえば、自走でサーキットまで行ってレースを楽しむことができる。走行後にしっかり整備すれば、完調を維持することが可能だ。    高桑秀典

「クルマをきちんと整備してくれる人を見つけてサポートしてもらうこと、いい仲間を選ぶことがポイントです」とは経験豊富な手塚さんの言葉なので、これから旧車でレースを愉しもうと思っている方は参考にしてみるといいだろう。

それと同時に手塚さんは「クルマも高い、パーツも高い、という状況の中で、部品の取り合いになっています。インターネットオークションにおいても、明らかにみんなが欲しがっている感じですね。部品を探すのが大変です」という現況も教えてくれた。

ナニゴトも愉しいことばかりではないので、今後、クラシックカーをゲットする予定があるクルマ好きは、パーツの確保という旧車オーナーならではの苦労があることも知っておきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

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