小粒で活発なシティカー キア・ピカント 1.0 T-GDiへ試乗 意外に鋭いステアリング
公開 : 2022.07.09 08:25
韓国キアのAセグメント・コンパクトがフェイスリフト。パワフルな1.0Lターボ版を英国編集部が評価しました。
フェイスリフトでスマホとの連携に対応
廉価モデルを購入する際、最近の判断基準で大切な1項目になっているのが、スマートフォンとの連携機能が付いているかどうか。特にアップル社のものへは、対応しておいた方が良いようだ。
フェイスリフトを受けたAセグメント・ハッチバック、キア・ピカントは対応している。同社として最新版のインフォテインメント・システムを装備し、中級グレード以上なら、8.0インチとひと回り大きいタッチモニターもダッシュボードに装備される。
アップル・カープレイへ対応するだけでなく、グーグルのアンドロイド・オートも使える。キア・コネクトというアプリを手持ちのスマートフォンにインストールすれば、英国なら交通状況や天気、ガソリン価格といった情報を確認することもできる。
独自のインフォテインメント・システムも扱いやすい。エアコンの操作パネルには、実際に押せるハードボタンが残されており、従来どおり直感的に使用できることも美点だろう。
英国価格1万6610ポンド(約277万円)のシティカーとして考えれば、インテリアは充分に質感が高くスマート。タッチモニターへ触れる際、指を支えるポイントがあれば尚良いと思う。
ライバルよりパワーに余裕のある1.0Lターボ
今回のフェイスリフトでは、スタイリングへ僅かに手が加えられ、新しいボディ色が追加となった。インテリアにも、トリムパッケージが新設定されている。キアにとって重要な稼ぎ頭となっているピカントだけに、カスタマイズの幅が広げられたようだ。
筆者の印象としては、ピカントのスタイリングは悪くない。見る角度によっては野暮ったさもあるが、小さく可愛らしい。ホイールは、最近としては控えめな16インチを履いている。
試乗車の1.0 T-GDi GTラインSが搭載するエンジンは、1.0L 3気筒ターボガソリン。最高出力100ps、最大トルク17.5kg-mを発揮し、スペック上の動力性能ではフォルクスワーゲンUp!やトヨタ・アイゴXより勝っている。
そのかわり、燃費は若干劣る。もし筆者がこのクラスで選ぶなら、燃費よりパワーを重視したいところではあるが。
ピカントが搭載する3気筒エンジンは、感心するほど扱いやすい。2000rpmくらいからターボチャージャーがパワーを盛り上げてくれ、飾らない5速MTを上手に使えば、パワーバンドも保ちやすい。
郊外の道で遅いトラックの後ろについても、手短に追い越しを済ませられる。道路の起伏に合わせてスピードを維持するのに、頻繁にシフトダウンをする必要もない。110km/h程度でのクルージングも苦ではない。