メルセデス・ベンツAクラス/Bクラス 2025年に廃止決定 EVと高級車に注力

公開 : 2022.06.28 06:05

独メディアの報道によると、メルセデス・ベンツはAクラスとBクラスの生産を2025年に終了し、後継車種の計画もないとのこと。

小型車ラインナップ縮小 EVと高級車へ集中

ドイツの商業経済紙ハンデルスブラット(Handelsblatt)の報道によると、メルセデス・ベンツAクラスは2025年に生産を終了するという。

同紙は、メルセデス・ベンツの内部情報として、コンパクトカーのAクラスを現行モデルを最後に廃止する決定がなされたと報じている。

メルセデスはエントリーモデルのコンパクトカーを段階的に廃止し、完全EVと高級車にリソースを集中する方針だ。
メルセデスはエントリーモデルのコンパクトカーを段階的に廃止し、完全EVと高級車にリソースを集中する方針だ。

2025年までは現行のハッチバックとセダンの両ボディタイプの生産が続けられるものの、後継車種は計画されていないという。初代Aクラスは、独創的な車体構造を持つコンパクトカーとして1997年に発売。モデルチェンジを重ね、第4世代となる現行モデルは2018年に登場した。

同紙はまた、Bクラスの生産が2025年に終了するとも報じている。BクラスはAクラスとの関連性が高いコンパクト・ミニバンで、初代は2006年に発売された。現行モデルの第3世代は2019年に登場している。

メルセデス・ベンツは今後、EVモデルの拡大を続ける一方で、収益性の高い高級車に注力していく方針を示している。小型で比較的安価なエントリーモデルとなるAクラスとBクラスの廃止は、こうした方針を反映したものである。

しかし、コンパクトカー市場から完全に撤退するわけではない。ハンデルスブラット紙の報道によると、将来的には、CLA、GLAGLBの後継車種を中心に生産を行う意向だという。これらの後継車種は、現行の「MFA」プラットフォームから新開発の「MMA」プラットフォームに切り換えるとされている。

メルセデス・ベンツの最高技術責任者(CTO)であるマルクス・シェーファーによると、MMAプラットフォームは、ハイブリッドとEVモデルの両方に対応するよう開発され、新しいオペレーティングシステム「MB.OS」を導入する予定だという。

「エントリーレベルのMMプラットフォームのモデルは、2024年からMB.OSソフトウェア・アーキテクチャをベースにする予定です。このセグメントでは7車種ではなく、4車種を展開する予定です」とシェーファーCTOは述べている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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