DS 「車載スクリーンは不要」 クルマの内装デザインに革命起こす チーフデザイナーが語る

公開 : 2022.06.30 06:05

DSのチーフデザイナーは、将来的には車載タッチスクリーンを廃止すると語りました。ダッシュボードをスクリーンで覆うことは「馬鹿げた」ことであり、インテリアに「革命」を起こしたいとのこと。

指紋の残るタッチスクリーンは美しくない

フランスの高級車ブランドであるDSは、将来的に車載スクリーンを廃止する可能性がある。その理由は、「あまりセクシーではない」ためだという。

DSのチーフデザイナーであるティエリー・メトローズは、スクリーンを多く搭載する昨今のトレンドは「少々馬鹿げている」として、クルマのインテリアに「革命」を起こそうとしていると語った。

タッチスクリーンの大きさを競う昨今のトレンドは「セクシーではない」として、DSでは廃止を目指すという。
タッチスクリーンの大きさを競う昨今のトレンドは「セクシーではない」として、DSでは廃止を目指すという。

「今後の目標は、車内のスクリーンをすべて取り除くことです。スクリーンは電源を落とすと、指紋のついた長方形の黒い面が残るだけなんです。それはとてもセクシーとは言えず、高級感もありません」

「最近、スクリーンをたくさん搭載することがトレンドになっていますが、これはちょっと馬鹿馬鹿しいことだと思います。なぜなら、ダッシュボードを持たず、大きなスクリーンだけを載せるというのは、DSの哲学に反するからです」

メトローズは、DS社内で現在のスクリーンに代わる新しい技術を検討しており、「穏やかさ」を加える「邪魔にならない」ものを使いたいと述べた。

「もちろん、ドライバーに情報を提供する必要があります。これは大きな挑戦ですね」

EVならではのフロントデザインも検討中

メトローズは、2024年からEVに移行するDSの、将来のモデルについても言及した。

現在、DSのモデルは、新型DS 7に見られるように大きなフロントグリルを特徴としているが、EVにはフロントエアインテークが必要ない。このため、クルマのパーツを新たにをデザインする際の「自由度」が上がったという。

フランスの高級車ブランドであるDSは、独自のデザイン哲学で差別化を図ろうとしている。(画像はDS 7)
フランスの高級車ブランドであるDSは、独自のデザイン哲学で差別化を図ろうとしている。(画像はDS 7)

また、メトローズは2020年に公開されたコンセプト「エアロスポーツラウンジ」を例に挙げ、今後はフロントに取り付けられたDSのエンブレムをライトアップすることがデザイン上の重要な特徴になると語っている。

「わたし達には新しいデザインを想像する自由があります。フロントライトシグネチャーを強化するチャンスなのです」

「現在はヘッドランプだけを使っていますが、これからはエンブレムの周囲にライトをデザインし、フロントエンドに新しい光の効果を生み出すチャンスを得ました。デザイナーにとって、とてもエキサイティングな瞬間です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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