圧倒的なビッグクーペ メルセデス・ベンツCLクラス V12ツインターボも 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.07.22 08:25 更新 : 2022.07.24 19:35
Sクラスから派生したビッグクーペ、CL。当時の最高が集結したモデルを、英国編集部がご紹介します。
もくじ
ー非の打ち所のない最上級グランドツアラー
ー上質な乗り心地 驚くほど機敏な操縦性
ー住みたいと思えるほど豪奢な内装
ー新車時代のAUTOCARの評価は
ー購入時に気をつけたいポイント
ー専門家の意見を聞いてみる
ー知っておくべきこと
ー英国ではいくら払うべき?
非の打ち所のない最上級グランドツアラー
大きなボディのラグジュアリー・クーペには、逆らえない魅力がある。上級4ドアサルーンをベースとしたモデルの場合は特に。
クーペというクルマは、少なからず実用性が犠牲にされている。優雅なスタイリングのために、より多くの金額を支払えるオーナーが運転するためのモデルだ。そんな存在感が、われわれを誘惑するのだろう。
ゴージャスなメルセデス・ベンツCLも、まさにそんな1台。Sクラスよりドアが2枚少なく、低くて短い。当時最先端の技術が満載された、非の打ち所のない最上級のグランドツアラーといえる。
メルセデス・ベンツのCLクラスは、1996年から2014年までに、Sクラスのクーペとして3世代が作られている。そのなかで今回は、2006年にリリースされた3代目をご紹介したいと思う。
C216型と呼ばれるこのモデルは、2代目のC215型と同じくらいハンサムだった。大きくカーブを描くルーフラインと、しっかり折り目のついたフェンダーラインは、ドラマチックですらある。
2010年にフェイスリフトを受け、容姿には更に磨きが掛けられた。現在でも、その圧の高い存在感は弱まっていないと思う。
上質な乗り心地 驚くほど機敏な操縦性
英国市場の場合、388psを発揮する5.5L V8ツインターボのCL 500、517psの5.5L V12ツインターボを積んたCL 600という2種類のほか、職人によるハンドビルドの5.5L V8ツインターボが525psを発揮するCL 63 AMGがラインナップされていた。
さらにCL 63でAMGパフォーマンス・パッケージを追加すると、最高出力は571psへ上昇。0-100km/h加速4.4秒のダッシュ力と、299km/hでリミッターが掛かる最高速度を獲得することもできた。
まだ不満というドライバーのために、メルセデス・ベンツはCL 65 AMGも用意。6.0L V12ツインターボが612psを発揮する、モンスター・クーペだ。2010年にマイナーチェンジを受け、5.5L V8は環境に若干優しい4.7L V8へ置き換わっている。
CLほど幅広い能力を備えたモデルは、なかなか存在しない。乗り心地は上質で、柔らかい枕に乗っているかのよう。それでいて、操縦性は驚くほど機敏。油圧制御のアクティブ・ボディコントロールを採用し、ハードコーナリング時も車内は水平が保たれる。
可変レシオのパワーステアリング、ダイレクト・ステアと、7速ATのダイレクト・セレクトという、新技術も目玉だった。
ヘッドライトはフロントタイヤと一緒に向きを変えるバイキセノンで、5段階の照射が可能。フォグライトはLEDで、ブラインドスポット・モニター、ドライバー監視、車線維持支援、ナイトビジョンなど、現代モデルに引けを取らない機能も装備する。