世界に1台だけのミニ・クーパー・コンバーチブルEV 電動化したワンオフ車両の目的とは
公開 : 2022.07.15 20:45
BMWは、ミニ・コンバーチブルをベースとしたEV仕様を公開しました。1台限りのワンオフのプロトタイプですが、編集部は試乗することができました。次世代モデルの開発テストと考えられています。
次世代ミニ・クーパー・コンバーチブルにEV導入か
BMWは、現行ミニ・コンバーチブルのEV仕様をワンオフで製作した。次世代モデルに向けた開発テストと予想される。
同社によると、この車両は「ワンオフのプロトタイプで、エミッションフリーのオープントップ走行をテストするためのもの」だという。
現行のクーパーSコンバーチブルをベースとしているが、パワートレインはミニ・エレクトリックのものを使用している。そのため、最高出力184psと航続距離230km(WLTP)の性能を持っている。
燃焼エンジン搭載のクーパーSコンバーチブルより重量は140kg増加したが、トランク容量は160Lと変わらない。
ただし、BMWは現行のミニ・コンバーチブルが電動化されることはないとしている。次世代モデルが電動化するかどうかも、「ミニ・コンバーチブルの後継モデル導入は決定しているが、パワートレインについて語るのは時期尚早」として明言は避けた。
しかし、BMWの関係者はAUTOCARに対し、次世代モデルでコンバーチブルの電動化が完全に視野に入っていると語った。
現在のデザインもこれで見納め? 見た目も中身も一新
第4世代となる新型ミニは、早ければ1年半後に登場する見込み。3ドアモデルを標準とし、これをベースにコンバーチブル仕様が作られるようだ。また、プラットフォームを一新し、ホイールベースは現行よりも40mm長くなる。乗り心地が向上するだけでなく、後部のスペースも拡大するはずだ。
エンジンの搭載を想定していないEV専用プラットフォームは、フロントオーバーハングを大幅に短縮することもできるだろう。
また、バッテリーも今回のプロトタイプより大型のものが採用されるだろう。クーパーモデルには40kWhのバッテリーが搭載される見込みだ。クーパーSのコンバーチブルであれば、50kWhを搭載し、1回の充電による航続距離は400kmほどとなる可能性がある。
BMWが2001年にミニブランドを再出発させて以来、デザインの特徴の1つとしてクラムシェルボンネット(ボンネットがフロントフェンダーに回り込む形状)が採用されてきた。しかし、公式な発表はないものの、ボンネットを含む多くのデザイン要素が次世代モデルでは廃止されるという情報がある。
ある関係者がAUTOCARに語ったところによると、現在の大きなボンネットのプレス加工と、ヘッドライト周りにクロームのリングをつけることに製造コストがかかっているという。
ミニのデザインチーフであるオリバー・ハイルマーは、こうした複雑な内外装デザインを第4世代でシンプルにしようとしている。クラムシェルボンネットを廃止することでコストを削減し、生産にかかる時間を短縮するだけでなく、ヘッドライト周りのクロームリングを省くことが可能になる。
また、テールライトのクロームリングもなくなり、フロントドア前の特徴的なセパレートパネルも廃止される予定だ。