目立たないけど見どころ満載 釜山国際モーターショー2022 日本未導入の巨大MPVも

公開 : 2022.07.20 18:05

7月15日から韓国で開催されている釜山国際モーターショー2022の様子を紹介します。日本ではお目にかかれない珍しいモデルや、韓国のクルマ事情なども確かめることができました。

自動車業界の興味深い一面を見る

釜山国際モーターショーという名前を聞いたことがない人も多いかもしれないが、自動車業界の奇抜な一面を発見できる場所であることは確かだ。主要6メーカーが参加する小さなイベントだが、犬を乗せるためのヒョンデ・キャスパーから移動図書館となったキア・レイまで、韓国の自動車市場を見る上で実に興味深い展示となっている。

釜山国際モーターショーは、韓国南部の釜山(プサン)で2001年から2年おきに開催されている国際モーターショー。前回の2020年は新型コロナウィルスの影響で中止され、今回は4年ぶりの開催となった。7月15日から24日まで、展示コンベンションセンターBEXCOで行われている。

韓国・釜山で開催されている国際モーターショーに潜入。小規模ながら見どころは多かった。
韓国・釜山で開催されている国際モーターショーに潜入。小規模ながら見どころは多かった。

見過ごされがちな韓国車について、会場を歩きながら紹介しよう。

ヒョンデ・キャスパー

ヒョンデ(現代自動車)のブースには、欧州ですら手に入らない珍しいモデルもあった。ヒョンデi10と部品の多くを共有する、小さなキャスパーだ。釜山では、犬を乗せるための小さなバンとして紹介されていたが(セントバーナードは乗れないかもしれないが)、通常は4人乗りである。

1.0Lガソリンエンジンと4速トルコン式ATを搭載するが、やがて環境規制の厳しい欧州向けにEV仕様も登場するだろう。韓国の「軽車」、つまり日本の軽自動車規格に相当する安くてかわいいコンパクトカーだが、日本でお目にかかる日は来ないかもしれない。

犬を運ぶ仕様のヒョンデ・キャスパー
犬を運ぶ仕様のヒョンデ・キャスパー

ヒョンデ・スターリア

2021年に登場したばかりの新型スターリアだが、かなり未来的なクルマに見える。今回は折りたたみテーブル、キャプテンチェア、後部座席用のワイドスクリーンディスプレイを備えたエグゼクティブ仕様が展示されている。

一見、EVのような雰囲気もあるミニバンだが、搭載されているのは3.5L V6ガソリンエンジンだ。2.2L直4ディーゼルもある。韓国やオセアニア地域のほか、欧州の一部地域でも販売されており、フォルクスワーゲン・マルチバンのライバルとなっている。

ヒョンデ・スターリアは全長5mを超える大型MPV
ヒョンデ・スターリアは全長5mを超える大型MPV

ヒョンデの水素トラック

釜山国際モーターショーにおける主要メーカーの出展は、ヒョンデ、キア、ジェネシスといった韓国ブランドのほか、少し意外なことにBMWグループの存在もあった。しかし、ヒョンデがショーの主役であることは明らかで、新型EVのアイオニック6を一般公開するなど、華やかにステージを飾っている。しかし、展示されていたのはそれだけではない。

ヒョンデは乗用車だけでなく、ありとあらゆる自動車を作っている。その中には、大型トラックやバスもある。釜山では、それら大型商用車の水素燃料電池仕様を展示していた。

ヒョンデ・エクシエント
ヒョンデ・エクシエント

この大型トラック「エクシエント(Xcient)」は、欧州でも発売される計画だ。航続距離は約400kmで、水素の充填にかかる時間は8分から20分程度とされている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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